【障害基礎年金2級】傷病手当金を受給しながら、うつ病で認定を受けた20代男性の事例

結果&年金額
- 決定した年金種類と等級: 障害基礎年金 2級
- 年金額 831,700円
- 更新時までの受給総額(概算): 約1,663,400円(※次回診断書提出年月である2年後までの合計額)
相談時の状況
仙台市内で一人暮らしをしている20代のAさんは、大学院在学中の就職活動や研究の重圧から不眠や自信喪失に陥り、市内のBクリニックを初診されました。その後、コロナ禍での環境変化も重なり、抑うつ状態が悪化。過食による急激な体重増加、昼夜逆転、自傷行為、さらには首吊り未遂を起こすなど、非常に危険で辛い状態が続いていました。
その後、何とか就職して一人暮らしを始めましたが、職場の人間関係(上司の交代等)のストレスから症状が再燃し、遅刻が頻発。最終的に休職となり、傷病手当金を受給しながら療養に専念することになりました。
以前、転院先のC病院の主治医に障害年金について相談したものの「受給は難しいかもしれない」と言われ、申請を半ば諦めていらっしゃいました。しかし、将来の金銭的・生活的な不安が拭えず、当事務所にご相談をいただきました。
社労士による見解
Aさんからお話を伺うと、日常生活において自炊が全くできず(実家での食事やカップ麺等に依存)、掃除ができずに部屋に埃が溜まっている状態でした。また、対人恐怖や強い希死念慮も続いており、生活能力が著しく低下していることから、障害等級2級に該当する可能性が十分に高いと判断しました。
一方で、手続き上の課題もありました。障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)付近の数ヶ月間は通院期間に空白があり、当時の診断書を取得できないことが判明しました。そのため、過去に遡って一時金を受け取る「遡及請求」は断念せざるを得ませんでしたが、現在の重い症状に基づく「事後重症請求」に的を絞り、確実な受給を目指す方針を立てました。
また、Aさんは現在「傷病手当金」を受給中でした。障害年金と傷病手当金は併給調整の対象となりますが、「総受給額が減るわけではなく、高い方の水準が維持される」という仕組みを丁寧に説明し、手当の受給期間終了を待たずに速やかに年金申請を進めることとしました。
受任してから申請までに行ったこと
- 初診日の証明(受診状況等証明書)の確実な取得 初診であるBクリニックと連絡を取り、郵送のやり取りでスムーズに証明書を取得しました。
- 入念なヒアリングと申立書の作成 LINEや電話を駆使して複数回ヒアリングを実施しました。特に「病歴・就労状況等申立書」には、Aさんの過酷な生活状況(食事の偏り、過去のいじめによる強迫観念からの入浴習慣と着替えができない矛盾、金銭的不安からの希死念慮など)を詳細に反映させました。
- 医師との連携と診断書作成依頼 現在の主治医は診断書作成に協力的であったため、Aさんの日常生活の困難さが医師に正確に伝わるよう、作成した申立書のコピーと要点をまとめた「診断書作成依頼書」を添えてAさんから医師へお渡しいただきました。通院日(認知行動療法の期間など)の細かな記載漏れがないよう、事前のチェックも徹底しました。
結果に対する社労士の感想
無事に障害基礎年金2級の決定を受けることができ、本当に安堵しております。
認定日請求(遡及請求)が通院歴の空白により不可となった点は残念でしたが、事後重症請求への切り替えを迅速に行い、傷病手当金が受給できる期間内に障害年金の受給権を確立できたことは、Aさんにとって非常に大きなセーフティネットになったはずです。
医師へ依頼する前に生活状況を精緻にまとめたことで、診断書と申立書の間に矛盾が生じず、審査がスムーズに進んだと考えられます。まだお若く、今後も長期間の療養が必要なAさんにとって、この年金が「経済的な安心」となり、焦らず治療に専念できる環境づくりの一助となればと心より願っております。
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