【網膜剥離・黄斑変性】初診日から約30年。カルテ破棄による証明困難から、障害厚生年金3級の遡及請求が認められた事例

うつ病で悩む男性

結果

受給決定した年金の種類と等級: 障害厚生年金3級
受給総額:3,184,130円
遡及の有無: あり(認定日請求による遡及決定)

相談時の状況

ご相談者様は50代の男性で、右目の視力を完全に失い、左目も矯正視力0.4程度かつ中心部が歪んで見えるという深刻な症状(網膜剥離および黄斑変性)でお悩みでした。

日常生活や就労に大きな支障が出ており、まもなく大学病院での目の手術・入院を控えているという非常に不安な状況のなか、当事務所へお電話でご相談をいただきました。

初診は数十年前にさかのぼり、ご自身で初診の病院に確認したものの「すでにカルテ等の記録がない」と言われており、手続きを進められるのかどうか大変心配されていました。

社労士による見解

初診日が約30年前(1995年頃)と非常に古く、初診の病院に記録が残っていないことから、「初診日の証明(受診状況等証明書の取得)」が最大の壁になると推測しました。

しかし、その後の転院先であるA病院からB大学病院へ宛てた「診療情報提供書(紹介状)」の中に初診日の記載が残っている可能性が高く、これを用いて初診日を特定できれば申請は可能だと判断しました。

一方で、過去にさかのぼって年金を請求する「遡及請求」については、障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過日)当時のカルテが残っているか、あるいは当時通院していたかが不明確だったため、当初は厳しい道のりになることが予想されました。現在の症状を鑑みれば事後重症(現在の状態での申請)で3級の可能性は十分にあるものの、ヒアリングを通じて認定日当時の通院歴をいかに洗い出せるかが鍵になると見立てました。

受任してから申請までに行ったこと

入院中のサポートとLINEの活用

ご相談者様はご契約前後でB大学病院へ入院・手術となられたため、迅速かつ負担のないやり取りができるようLINEでの連絡窓口を開設しました。必要書類一式は直接病棟宛に郵送するなど、ご本人の体調に配慮しながら手続きを進めました。

初診日の確定と複数回のヒアリング

当初の懸念通り、遡及請求用の診断書をB大学病院へ依頼したところ「障害認定日の期間(3ヶ月間)に受診記録がないため作成不可」との回答がありました。しかし、諦めずに3回にわたる綿密な電話ヒアリングを重ねた結果、B大学病院の通院と並行して「C眼科」にも通院していた事実を発掘することができました。

迅速な方針転換と書類の精査

C眼科での受診記録をもとに、直ちに遡及用診断書の作成依頼先をC眼科へ変更しました。また、各病院から上がってきた診断書に3箇所ほどの記載漏れを発見したため、速やかにご本人を通じて医師へ追記・修正を依頼し、不備のない完璧な状態で年金事務所へ申請(認定日請求)を行いました。

結果に対する社労士の感想

初診日が約30年前という古い事案であり、かつご相談の時点で手術・入院を控えているという時間的・精神的な制約が多いなかでのスタートでした。

当初は「遡及請求は実質不可だろう」と半ば諦めかけていた部分もありましたが、ご本人との複数回にわたる丁寧なヒアリングのなかで「別の眼科(C眼科)への通院歴」という一筋の光を見つけ出せたことが、今回の遡及決定を勝ち取る最大のターニングポイントでした。

ご病気で視力が低下し、文字の読み書きや手続き自体が大きな負担であるにもかかわらず、ご相談者様がLINE等を通じて大変迅速に書類手配にご協力くださったことに心から感謝しております。無事に3級および遡及分のまとまった一時金が振り込まれ、温かい感謝のお手紙までいただき、社労士として非常にやりがいを感じる感慨深い案件となりました。

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