【発達障害の障害年金事例】大人になってからの診断。障害認定日に遡る「遡及請求」で障害基礎年金2級と一時金を受給できた20代男性のケース

うつ病で悩む男性

結果

  • 傷病名: 発達障害(自閉症スペクトラム・ADHD)、うつ病
  • お住まいの地域: 宮城県 仙台市
  • 決定した年金種類と等級: 障害基礎年金 2級(※障害認定日請求/遡及請求)
  • 受給額(年額): 約81万円 + 遡及分(過去分の一時金)約150万円

相談時の状況

幼少期から集団行動が苦手で、学生時代も対人関係で悩むことが多かったという20代の男性です。大学卒業後、なんとか一般企業に就職したものの、業務上のケアレスミスが極端に多く、上司から毎日激しく叱責される日々が続きました。 次第に不眠や激しい動悸、気分の落ち込みが現れ、23歳の時に仙台市内のメンタルクリニックを受診。そこで初めて「発達障害(ADHDおよび自閉症スペクトラム障害)」、ならびに二次障害としての「うつ病」と診断されました。 その後、仕事に行けなくなり退職。現在は実家に引きこもり、ご高齢のご両親のサポートを受けながら生活しています。将来を悲観したお母様から、「息子の今後の生活基盤となる支援はないか」と当センターへ無料相談のお電話をいただきました。

社労士による見解

発達障害の初診日は「初めてその症状で医師の診療を受けた日」となります。今回は23歳の時のメンタルクリニック受診日が初診日(国民年金加入期間)として確定できました。 現在26歳の相談者様ですが、お話を伺うと、初診日から1年6ヶ月が経過した日(=障害認定日)の時点でも、現在と同様にひどい抑うつ状態で全く就労できず、日常生活全般をご家族に依存している状態でした。 この場合、現在の状態での請求(事後重症請求)だけでなく、障害認定日当時の状態を証明できれば、過去に遡って年金を受け取れる「遡及請求(障害認定日請求)」が可能であると見解をお伝えしました。

受任してから申請までに行ったこと

遡及請求を行うためには、「①障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)から3ヶ月以内の診断書」と、「②現在の診断書」の合計2枚が必要になります。 幸い、ご本人は同じクリニックに継続して通院されていたため、カルテは残っていました。しかし、発達障害の障害年金申請で最も重要かつ大変なのが「病歴・就労状況等申立書」の作成です。発達障害は先天性の脳の機能障害とされているため、うつ病などの精神疾患とは異なり、「出生時から現在まで」の生活状況を数年ごとに細かく記載しなければなりません。 当事務所の社労士が、お母様から幼少期・小学校・中学校・高校・大学・社会人それぞれの時代における「コミュニケーションの困難さ」や「こだわりの強さ」「日常生活での支障」を丁寧にヒアリングしました。単なる「うつ病」の辛さだけでなく、根本にある発達障害に起因する生きづらさを浮き彫りにした申立書を作成。これらを医師への参考資料として提供し、実態を正確に反映した2枚の診断書を取得して年金事務所へ提出しました。

結果に対する社労士の感想

無事に障害認定日に遡っての障害基礎年金2級が認められ、現在の年金受給に加えて、過去の分として約150万円の一時金が振り込まれました。 「大人になってから発達障害と診断された」「うつ病だと思っていたら発達障害が隠れていた」というご相談は、近年仙台でも非常に増加しています。発達障害の申立書は出生時からの長大なヒアリングが必要となるため、ご家族だけで作成するのは非常に骨の折れる作業です。専門家が間に入り、審査のポイントを押さえた書類作成を行ったことが、遡及請求という最高の形での解決(受給)に繋がったと感じています。ご本人とお母様の安堵された表情が大変印象に残る事例でした。

今回の事例から分かったQ&A

Q:大人になってから「発達障害」と診断されました。障害年金の対象になりますか?また、うつ病も併発している場合はどうなりますか?

A:大人になってからの診断でも、もちろん対象になります。
発達障害による対人関係のトラブルや業務上の困難さが原因で、日常生活や就労に大きな支障が出ている場合は障害年金を受給できる可能性が高いです。 また、発達障害の二次障害として「うつ病」や「適応障害」を発症しているケースも非常に多く見られます。この場合、両方の症状を総合して(日常生活にどれくらい制限がかかっているか)審査が行われます。 ただし、申立書には「生まれた時から現在まで」の長期間の経緯を矛盾なく論理的にまとめる必要があるため、ご自身で手続きを進める前に、まずは障害年金の実績が豊富な社労士へご相談いただくのが一番の近道です。

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