統合失調症で受けられる支援制度や補助金について社労士が解説します

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あなたは、

「統合失調症と診断され、治療費や生活費の負担に困っている」
「どんな支援制度があるのかわからない」
「補助金を受けられるのか知りたい」

このようにお悩みではありませんか?
統合失調症の方が利用できる支援制度は数多くあり、特に障害年金は経済的な支えとなる重要な制度です。
この記事では、統合失調症の方が知っておくべき主な支援制度5つを社労士がわかりやすく解説します。ひとりで悩まず、利用できる制度を確認してみましょう。

統合失調症の方が利用できる主な支援制度

統合失調症で利用できる支援制度は、主に以下の5つです。

・障害年金
・自立支援医療
・精神障害者保健福祉手帳
・特別障害者手当
・特別障害者給付金制度

これらの制度は、目的や対象者、支給額などが異なります。それぞれ見ていきましょう。

障害年金

病気やケガが原因で、日常生活や仕事に支障のある方が受け取れる国の年金制度です。

「統合失調症で初めて医療機関を受診した日(初診日)」の時点で加入していた年金制度が、国民年金の方は「障害基礎年金」、厚生年金の方は「障害厚生年金」となります。

【対象者】

以下3つの要件をすべて満たす方が対象となります。

  1. 原則20歳~64歳
  2. 年金保険料をしっかりと納付している

※免除期間は未納ではありません

  1. 統合失調症によって生活や仕事に支障がある

【支給額】

障害基礎年金:月平均7万円程度
障害厚生年金:月平均10万円程度

通常、年金事務所や市区町村役場が窓口です。しかし、障害年金の申請は、初診日の特定や年金の納付状況の確認、そして何よりも診断書の内容がとても重要になります。
受給できると経済的な基盤にもなりうる一方で、申請には複雑な手続きや専門的な知識が必要です。
以下の記事では、統合失調症で障害年金を申請する際のポイントについてより詳しく記載しています。よかったらご覧ください。

≫≫「【社労士が解説】統合失調症で障害年金を申請する際のポイントと注意点」はコチラ

参考:障害年金|日本年金機構

自立支援医療制度

医療費の自己負担額を減らせる制度です。

【対象者】

統合失調症などの精神疾患で継続した「通院治療」が必要な方

【支援内容】

・精神科の医療費が原則1割負担
・世帯所得に応じて、自己負担月額上限を超えた場合は支払い不要
・薬局での薬代も対象

市区町村の担当窓口で申請します。審査後、受給者証が交付されれば利用開始となります。

参考:自立支援医療制度の概要|厚生労働省

精神障害者保健福祉手帳

一定程度の精神障害の状態にあるという「証明書」の役割を果たします。
精神障害者保健福祉手帳の等級は、障害の程度によって1~3級があり、税金の軽減や公共料金の割引といったサービスを受けられます。

【対象者】

長期(6ヶ月以上)にわたる精神疾患があり、生活に支障のある方

【支援内容】

・税制優遇(所得税・住民税・相続税の控除、自動車税の減免など)
・公共料金の割引
・障害者雇用枠での就労
・公共施設での入場料割引 など

市区町村が窓口です。特に就労を考えている方にとっては、選択肢が広がる大切な手帳となります。

参考:障害者手帳について|厚生労働省

特別障害者手当

精神疾患によって常に特別な介護が必要な「在宅障害者」に支給される手当です。

【対象者】

・常に特別な介護が必要な在宅障害者
・満20歳以上
・施設に入所していない(通所はOK)

【支給額】

月額29,590円(令和7年度時点)

統合失調症単体では難しい場合が多いですが、他の疾患と複合している場合は対象となる可能性があります。特別障害者手当も、市区町村の担当窓口で申請します。

参考:特別障害者手当について|厚生労働省

特別障害者給付金制度

国民年金に任意加入していなかったことで、障害基礎年金等を受給できない方への福祉的措置として制定された制度です。

【対象者】

・平成3年3月以前に国民年金任意加入対象であった学生
・昭和61年3月以前に国民年金任意加入対象であった被用者等の配偶者

【支給額】

障害等級1級相当の方:月額56,850円
障害等級2級相当の方:月額45,480円
(令和7年度時点)

複雑な制度で、ご自身が対象になるかどうか判断が難しいケースが多いです。過去に年金制度に未加入だった期間がある方は、一度社労士に相談してみることをおすすめします。

参考:特別障害給付金制度|日本年金機構

生活の経済的基盤を支える「障害年金」という選択肢

さまざまな支援制度がある中で、経済的な基盤をしっかりと支えてくれる可能性が高いのが障害年金です。治療費だけでなく、毎日の生活費や将来の不安を軽減するための大きな力となります。

【障害年金のメリット】

・毎月安定した収入が得られる
・生活の見通しが立てやすくなる
・他の支援制度との併用も可能

受給資格があるにもかかわらず、申請していない方も少なくありません。統合失調症による日常生活への影響や就労の困難さがある場合は、障害年金の認定基準に該当する可能性があります。

統合失調症で障害年金を受給するための重要なポイント

障害年金の申請では、以下の3つが特に重要です。

・初診日が特定できるか
・保険料の納付要件を満たしているか
・日常生活への支障を具体的に証明できるか

障害年金では「日常生活にどの程度の支障があるか」が重要な判断材料となるため、医師が作成する診断書がとても重要になります。診断書を依頼する際は、できないことや困っていることをありのまま、具体的なエピソードを交えて医師に伝えましょう。

複雑な障害年金の手続きは専門家である社労士にお任せください

障害年金は生活の基盤ともなりうる制度ですが、統合失調症を抱えながら情報を集め、申請書類を揃えるのはとても大変な作業です。ご自身で進めるのが不安な場合は、障害年金に詳しい社労士に相談してサポートしてもらいましょう。

「自分も対象になるのでは?」と感じた方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

お問い合わせください

障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。

メール、LINE、お電話(土日も対応)、いずれの方法でも結構ですのでお問い合わせをお待ちしております。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)