【社労士が解説】人工肛門を増設された方の障害年金について解説します!

人工肛門における障害年金の申請についての写真

癌などの理由で人工肛門を増設する場合があります。人工肛門を増設した人で条件が合えば年間約60万円ほどの障害年金を受給できる可能性があります。人工肛門で障害年金を申請するための条件やポイントについて解説します。

 

人工肛門とは

人工肛門とは癌などの理由で肛門から弁を排泄できない人が、腸の一部をお腹の壁から外へ出して弁を出すことを言います。

人工肛門は通常の肛門のように閉めたり緩めたりができません。

それで、便を排出するための袋を装着します。

袋には便やガスが溜まるため、定期的に確認して溜まった便やガスを処理する必要があります。

 

一時的に腸が詰まったなどの理由で一時的に人工肛門にするケースや、癌で直腸を切除する必要があるなどの理由で永久的に人工肛門にするケースがあります。

 

障害年金を申請するために満たすべき2つの条件

障害年金を申請するためには満たすべき2つの条件があります。それぞれの条件を見てみましょう。

「初診日に年金に加入している」

人工肛門で病院を受診した時に、国民年金か厚生年金のいずれかに加入している必要があります。

「受診状況等証明書」という書類があり、初診日を証明する必要もあります。

「保険料を納付している」

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合委員機関を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上である必要があります。

20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この条件は不要となります。

これは簡単に言うと、国民年金の場合は保険料を収めていないと障害年金を申請することができないということです。

 

「2つの条件も満たしていなければ申請できない」

「初診日に年金に加入している」、「保険料を納付している」という2つの条件は必ず満たす必要があります。

例えば、人工肛門の影響でどれほど障害があり不便な生活をしていても、この2の条件が満たされていなければ障害年金を申請することはできません。

 

初診日が特定できれば、最寄りの年金事務所でこの2つの条件を満たしているかどうかを確認することができます。

障害年金を申請する前に大切な2つの条件を満たしていることを確認するようにしましょう。

 

初診日とは?

初診日とは、人工肛門の増設につながる病気と診断された日ではありません。

直腸癌など人工肛門の増設につながる病気と診断されるに至る病状で病院を受診した最初の日が初診日となります。

この初診日が起点となり、1年6ヶ月が経つと障害者として認定され、障害年金を申請できるようになります。

 

障害年金の手続きの流れ

障害年金を申請するときは一般的に下記の流れを取ります。

1.初診日を確定する

2.保険料の納付要件を満たしているか確認する

3.受診状況等証明書を取得する

4.医師に診断書を作成してもらう

5.病歴・就労状況等申立書を作成する

6.申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)を揃える

7.年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する

 

等級判定ガイドライン

障害年金には等級があり、3級が一番軽く1級が一番重くなります。

国民年金の場合は1,2級のみですが、初診日に厚生年金に加入していた場合は、1級から3級までが対象となります。

 

人工肛門の場合、障害年金は3級にしか該当しません。

それで、人工肛門のみの障害の人は初診日に厚生年金に加入していることが条件となります。

 

ただし、人工肛門の他に障害がある人は2級に該当する可能性があります。

他の障害とは下記の3つです。

 

新膀胱

膀胱癌などにより膀胱を摘出した人が小腸などを使って新しい膀胱を増設することを言う。

 

尿路変更

腎臓で作られた尿が膀胱に溜まり、尿道から体の外へ排出される経路を尿路と言います。

癌などの理由でこの経路に変更を加えなくてはいけないことが尿路変更と呼ばれています。

 

完全排尿障害

カテーテルで尿を体の外へ出す状態のこと。

 

肛門、直腸、泌尿器で障害年金の1級に該当する基準はありません。

人工肛門の場合、他の障害がある場合は2級、人工肛門のみの場合は3級が該当する可能性があります。

 

障害年金の申請はプロに相談できる

障害年金の申請は時間と手間がかかります。

また、医師に記入してもらう診断書には人工肛門でどのように生活が不便になっているかをありのまま記載してもらう必要があります。

障害年金のプロに相談してサポートしてもらうことで、申請をスムーズに行うことができます。

 

お問い合わせください

障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、遠慮なくご連絡をいただければと思います。

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※相談内容について専門家としてお答えするため下記の項目を最初にお聞きいたします。

①お名前、②生年月日(年齢)、③電話番号、④住所⑤初診日(医療機関に初めて受診した日)、

⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)

執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)