人工関節で障害者手帳はもらえる?認定基準の変更点と生活を支える障害年金を解説
目次

人工関節の手術を受けたあと、
「障害者手帳はもらえるのだろうか」
「もらえなかった場合、他に使える制度はないのか」
と気になっている方も多いのではないでしょうか。
人工関節の手術をしたからといって、必ずしも障害者手帳が交付されるわけではありません。
一方で、障害者手帳が取得できなかった場合でも、障害年金を受給できる可能性があります。
この記事では、障害者手帳の認定基準や取得メリット、障害年金の仕組みについて社労士がわかりやすく解説します。
人工関節の手術をしたら障害者手帳は必ずもらえる?
障害者手帳は、術後の状態によって認定結果が異なります。制度の仕組みを正しく理解しておきましょう。
2014年の基準改正により「人工関節の手術=4級」ではなくなった
かつては人工関節を装着すれば原則4級に認定されていましたが、2014年の基準改正により取り扱いが変わりました。
医学の進歩により、術後の歩行能力が大幅に改善されるケースが増えたためです。これにより、単に「人工関節を挿入した」という事実だけでは認定されず、個々の回復状態をチェックされるようになりました。
参照:平成26年4月からペースメーカや人工関節等を入れた方に対する身体障害者手帳の認定基準が変わります|東京都福祉局(厚生労働省基準)
術後の可動域や日常生活動作で等級が決まる仕組み
現在の認定は、手術から一定期間が経過したあとの状態で行われます。
- 関節の可動域: 関節がどの程度スムーズに動くか
- 筋力: 足の筋力がどの程度維持されているか
- 日常生活動作(ADL): 階段の昇降、椅子からの立ち上がり、片足立ちなどがどれくらい不自由か
これらの結果、そもそも認定されないケースや、認定されても6級などにとどまるケースがあります。一方、可動域の制限が大きく残っていたり、日常生活への支障が大きかったりする場合は、より上位の等級に認定される可能性があるでしょう。
障害者手帳を取得するメリット
障害者手帳を取得することで、以下のような支援が受けられます。
- 自立支援医療(更生医療):医療費の自己負担が原則1割に軽減
- 税金の控除:所得税・住民税の障害者控除が適用
- 交通機関の割引:電車・バス・タクシーなどの運賃割引が受けられる
等級が高いほど受けられる支援の幅が広がるため、手術後は一度申請の可否を確認しておくことをおすすめします。申請先はお住まいの市区町村窓口で、指定医療機関での診断書が必要です。
人工関節で障害者手帳がもらえなくても障害年金を受給できる可能性
障害者手帳の審査に通らなかった場合でも、諦める必要はありません。障害年金は障害者手帳とは別の制度であり、認定基準も異なります。
障害者手帳は「身体機能」障害年金は「挿入置換した事実」を重視
障害者手帳と障害年金は、審査の視点がまったく異なります。
障害者手帳は術後の身体機能の回復度合いをもとに審査されるため、機能が回復していると認定されにくくなるのが特徴です。
一方、障害年金では「人工関節・人工骨頭を挿入置換した事実」そのものが重視されます。そのため、手帳の審査に通らなかった場合でも、障害年金の受給要件を満たせる可能性があります。
人工関節・人工骨頭を挿入置換すれば障害年金3級に該当
人工関節または人工骨頭を挿入置換された方は、障害年金の原則3級に該当します。
術後の状態が悪化している場合は、2級以上に認定される可能性もあります。その際の判断基準は、日常生活動作への支障の程度です。片足立ちや屋内外の歩行、階段昇降などが困難な状態であれば、上位等級への認定が検討されます。
初診日に「厚生年金に加入していたか」が受給のカギ
受給できる障害年金の種類は、初診日時点の年金加入状況によって決まります。
|
種類 |
対象となる人(初診日時点) |
等級の範囲 |
|
障害基礎年金 |
自営業・フリーランス・専業主婦などの国民年金加入者 |
1級・2級のみ |
|
障害厚生年金 |
会社員・公務員などの厚生年金加入者 |
1級・2級・3級・障害手当金 |
人工関節で原則該当する3級は障害厚生年金にしか存在しないため、初診日時点で厚生年金に加入していたかどうかが受給の可否を左右します。
国民年金のみの加入者は1・2級が対象となりますが、複数箇所への装着や他の障害との併合認定が認められる場合は受給できる可能性があります。
人工関節で障害年金を申請する際の注意点
障害年金は申請すれば自動的に受給できるものではありません。手続きのなかでつまずきやすいポイントを事前に把握しておきましょう。
初診日の証明
障害年金の申請には、初診日の証明が必要です。初診と手術を受けた医療機関が異なる場合、初診の医療機関に「受診状況等証明書」を記載してもらう必要があります。
カルテの保存義務は最終診療日から5年のため、年数が経つほど証明が難しくなる点に注意が必要です。
手術日が障害認定日になる特例
通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月後が障害認定日ですが、初診日から1年6ヶ月以内に人工関節を装着した場合は、手術日が障害認定日となる特例があります。
この特例を活用することで、手術翌月から障害年金を受給できます。
人工関節における障害年金の申請手順や受給期間については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
≫≫「【社労士が解説】人工関節または人工骨頭をそう入置換された方へ障害年金について解説します」はコチラ
≫≫「人工関節で障害年金は一生もらえる?更新・止まるケースをわかりやすく解説」はコチラ
まとめ:人工関節の障害年金申請は専門の社労士にお任せください
人工関節の手術後、障害者手帳が取得できなかった場合でも、障害年金を受給できる可能性があります。障害者手帳と障害年金は別の制度であり、認定基準も異なるため、手帳の結果だけであきらめてしまうのは早いです。
一方で、初診日の証明や診断書の内容など、個人での対応が難しい手続きも少なくありません。受け取り損ねを防ぐためにも、申請前にまず障害年金に詳しい社労士に相談しましょう。
障害年金の申請についてご不明な点などがございましたらどんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。
メール、LINE、お電話(土日も対応)、いずれの方法でも結構ですのでお問い合わせをお待ちしております。
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