ADHDでお金を使いすぎる…生活が苦しいときに頼れる支援制度を社労士が解説

【障害年金 ご相談事例】50歳代女性 統合失調症を患っている奥さんについて旦那さんよりご相談を受けました

あなたは、

「衝動買いがやめられない」
「ADHDの診断を受けている(もしくは自覚がある)けれど、お金の管理がどうしてもうまくいかない」
「生活が苦しくても、誰に相談すればいいのかわからない」

このような悩みを抱えていませんか?

ADHD(注意欠陥多動性障害)の特性により、お金の使い方に悩みを抱える方は少なくありません。特性そのものを変えるのは簡単ではないため、日々の工夫だけでは限界を感じるケースもあるでしょう。

この記事では、ADHDでお金を使いすぎてしまう原因や対策、生活が苦しいときに頼れる公的な支援制度について社労士が解説します。

ADHDでお金を使いすぎてしまう原因となる症状3つ

ADHDによる浪費には、性格や意志の弱さではなく、特性由来の要因が関係しているとされています。ここでは、ADHDの代表的な3つの症状を確認しましょう。

衝動性

衝動性とは、考えるよりも先に行動してしまう特性です。

欲しいと感じた瞬間に「本当に必要か」を吟味する前に購入ボタンを押してしまう、セール品を見ると計画になくても買ってしまうといった行動につながりやすいとされています。

不注意

不注意の特性がある場合、口座残高や請求額の確認を後回しにしてしまいがちです。

サブスクリプションの解約を忘れて課金が続く、支払い期限を見落として延滞金が発生するなど、管理の抜け漏れが金銭的な負担につながるケースがあります。

報酬系の弱さ

ADHDの中核症状は不注意・多動性・衝動性の3つとされていますが、衝動的な浪費の背景には、脳内の報酬系(達成感や満足感を生み出す神経系)の働きが関係していると考えられています。

この特性により、買い物をした瞬間の高揚感を強く求めやすく、浪費が繰り返される一因になるとされています。

参考:特集2 報酬系の脳科学と生物学的精神医学の融合|日本生物学的精神医学会誌 22巻4号

ADHDでお金を使いすぎてしまう場合の対策

お金の管理がうまくいかないときは「自分の苦手なこと」に合わせて対策を考えると取り組みやすくなります。

例えば、つい衝動買いをしてしまう場合は、クレジットカードではなく現金やデビットカードを使う、一晩置いてから判断する、といった方法があります。

一方、「うっかり忘れてしまう」という不注意には、引き落とし口座の一本化や、家計簿アプリで自動記録するなど、自分で管理しなくても済む仕組みを作ることが有効です。

また、買い物による高揚感を求めやすい場合は、あらかじめ使ってよい金額を決めておく、家族に相談するルールを作るといった方法が効果的とされています。

対策だけでは難しいと感じたら支援制度を活用しよう

ADHDによる症状が原因でお金の管理が難しく、日常生活や就労への支障が生じている場合、以下の支援制度を利用できる可能性があります。

障害年金

ADHDは障害年金の対象疾患であり、要件を満たせば継続的に受給できる公的年金です。

日常生活や仕事にどの程度の支障が出ているかが審査の中心となり、診断名の有無だけで決まるものではありません。

障害年金の詳しい要件や障害認定基準については、以下の記事をご覧ください。

≫≫「【社労士が解説】ADHD(注意欠陥多動性障害)で障害年金を申請する際のポイント」はコチラ

参照:障害年金|日本年金機構

精神障害者保健福祉手帳

精神障害者保健福祉手帳は、税制優遇や公共料金の割引など、生活面でのさまざまな支援を受けられる制度です。

障害年金と障害者手帳は別の制度であり、審査基準も異なります。手帳の取得が難しい場合でも、障害年金の受給要件を満たせるケースもあるため、両方を別々に確認しておくとよいでしょう。

≫≫「ADHDで障害者手帳をもらえないケースと対処法を社労士が解説します」はコチラ

参考:障害者手帳について|厚生労働省

自立支援医療制度

自立支援医療は、精神疾患の治療にかかる医療費の自己負担を原則1割に抑えられる制度です。ADHDの治療で継続的に通院・服薬している場合、医療費の負担軽減につながる可能性があります。

参考:自立支援医療制度の概要|厚生労働省

ADHDでの障害年金申請においてよくある質問

障害年金申請を検討する際によくある疑問に回答します。

なお、以下は要件を満たしていることを前提とした回答です。

Q. 精神科を受診していなくても障害年金を申請できますか?

障害年金の申請には、医師の診断書と初診日の証明が必要となるため、受診していない状態では原則として申請できません。

「受診すべきか迷っている」という方は、まずは心療内科や精神科を受診し、日常生活での困りごとを具体的に伝えることが、申請に向けた第一歩になります。

Q. 働きながらでも申請できますか?

はい、可能です。就労しているかどうかではなく、働くうえでどのような配慮を受けているか、どの程度の支障があるかが確認されます。

Q. 障害年金はいくらもらえますか?

目安として、障害基礎年金は月額約7万円、障害厚生年金は月額約10万円です。

ただし、等級や加入していた年金の種類、厚生年金加入期間中の給与水準・家族構成などによって金額は変わるため、あくまで目安としてご参考ください。

まとめ:ADHDでお金を使いすぎてしまう方は一人で抱え込まず専門家にご相談を

ADHDでお金を使いすぎてしまう場合、特性由来の症状が関係しているとされ、対策を講じても改善が難しい場合があります。そのため、障害年金や精神障害者保健福祉手帳、自立支援医療制度といった公的な支援制度を活用するのも選択肢の一つです。

特に障害年金は、症状の証明や申請のタイミングによって受給の可否や金額が変わる可能性があるため、不安がある方は早めに障害年金煮詳しい社労士へ相談することをおすすめします。

実際に受給に至った事例は、以下の記事でも紹介しています。

≫≫「再就職が決まらず困窮…うつ病・ADHD(注意欠陥多動障害)で挑んだ障害基礎年金2級の受給事例」はコチラ

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