【社労士が解説】がんの障害年金の申請を徹底解説します!

がんと診断されると大きなショックを受けます。

仕事はどうなるか普通の生活に戻れるかなど、その後の生活にも不安を感じることでしょう。

仕事や生活に影響が出る場合、障害年金を受給できれば経済面での助けになるでしょう。

今回はがんで障害年金の申請の基準やポイントを徹底解説します。

 

がんの影響

がんとは異常な細胞が増え続ける病気です。がんがすすむと異常な細胞は血管によって運ばれ全身に広がります。がんはさまざまな影響で発症しますが、日本人では、喫煙と感染が大きな影響を及ぼしていると考えられています。

 

がんの影響はたくさんあります。例えば、有名歌手は咽頭がんを発症し、声帯を全摘出して声が出せなくなりました。他にも肛門を切除して人工肛門になる人もいます。がんによって部位を切除することで影響が出るケースもありますが、がんの治療で倦怠感や痺れが出ることで生活に影響が出るケースもあります。

 

がんを早期発見できれば生活に出る影響は小さくなることが多いですが、がんの程度によっては生活に大きな影響を及ぼすものとなります。

 

障害年金を申請するための大切な2つの条件

障害年金を申請するためには大切な2つの条件があります。それぞれ見てみましょう。

・「初診日に年金に加入している」

がんで病院を受診した時に、国民年金か厚生年金のいずれかに加入している必要があります。

「受診状況等証明書」という書類があり、初診日がいつでどの病院を受診したかを証明しなければなりません。

 

・「保険料を納付している」

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合委員機関を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上である必要があります。

20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この条件は不要となります。

これは簡単に言うと、国民年金の場合は保険料をしっかり納めていないと障害年金を申請できないということを意味しています。

 

「いずれの条件も満たしている必要がある」

「初診日に年金に加入している」、「保険料を納付している」という2つの条件は必ず満たしている必要があります。例えば、がんの影響で他の人からの多くのサポートが必要でも、この2つの条件を満たしていないと、障害年金は申請できません。

 

初診日とは?

初診日とは、がんと診断されるに至った病状で最初に病院を受診した日が初診日となります。がんと診断された日ではないので、間違えないようにしましょう。初診日を証明するために、初診日に受診した病院に証明書を書いてもらう必要があります。

 

がんの場合の障害の認定日

障害年金の障害の認定は、原則として初診日から1年6ヶ月経過した時点が障害認定日となります。しかし、障害の状態によっては1年6ヶ月以内であっても申請することができます。(例は下記の表をご覧ください)

 

身体状況

障害認定日

在宅酸素療法

療法開始日

咽頭全摘出

全摘出した日

人工肛門増設

増設日から6ヶ月を経過した日

新膀胱

増設した日

 

障害年金の手続きの流れ

障害年金を申請するときは一般的に下記の流れを取ります。

1.初診日を確定する

2.保険料の納付要件を満たしているか確認する

3.受診状況等証明書を取得する

4.医師に診断書を作成してもらう

5.病歴・就労状況等申立書を作成する

6.申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)を揃える

7.年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する

 

等級判定ガイドライン

障害年金には等級があります。1級が重く3級は症状が軽い判定です。初診日に厚生年金に加入していた人のみ3級の判定がありますが、国民年金の場合は1,2級のみとなります。

 

等級

障害の状態

1級

著しい衰弱や障害がある。多くをベッドで生活し、活動範囲もベッド周辺に限られる状態。常に誰かに助けてもらわないと生活できない。

2級

衰弱や障害があり、次にあげる状態に該当。

1.身の回りのことはある程度できるが、助けてもらわないと生活できない。昼間の半分は寝ている。自分で外出できない。

2.歩行・身の回りのことはできるが時々助けてもらう必要がある。軽い仕事もできないが、昼間の半分は起きていられる。

3級

著しい全身の倦怠感があり、次にあげる状態に該当。

1.歩行や身の回りのことはできるが、少しの助けがあれば生活できる。軽い仕事もできないが、昼間の半分は起きていられる。

2.軽い症状があり、肉体労働はできない。歩行、軽い仕事、軽い家事、事務作業はできる。

 

働いていても障害年金を申請できるか

働いている人も障害年金を申請できる場合があります。申請するかどうか迷うときは、障害年金の申請のプロへ相談することができるでしょう。

 

お問い合わせください

障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、遠慮なくご連絡をいただければと思います。

まずはお電話か問い合わせフォーム・LINEでご予約ください

022-343-7126

メールでお問い合わせはこちらから

LINE相談はこちらから

※電話受付時間 : 年中無休9:00~18:00対応中 

※メールは24時間受付中

 

※相談内容について専門家としてお答えするため下記の項目を最初にお聞きいたします。

①お名前、②生年月日(年齢)、③電話番号、④住所⑤初診日(医療機関に初めて受診した日)、

⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)

執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)