【社労士が解説】メニエール病で障害年金を申請する際のポイントを解説します

【障害年金 ご相談事例】40歳代女性 右乳管がんを患っている女性からご相談を受けました

メニエール病は障害年金の対象疾患です。

今回はメニエール病で申請する際のポイントを社会保険労務士である私が解説します。

 

メニエール病とは

メニエール病とは、めまい・耳鳴り・難聴を主症状とし、それらの症状が反復する疾患です。

20~40代に多く、やせ型で、几帳面な性格の女性に多いのが特徴です。

 

内耳にある内リンパにリンパ液が溜まり、水ぶくれのような状態になることが原因とされています。

その水ぶくれがどこに起きているかによって、症状にも違いがあります。

 

場合によっては症状がひどくて救急車で運ばれる人もいるほどです。

疲労・ストレス・睡眠不足などが関与しており、安静が有効で、症状が難治性の場合はライフスタイルを見直すことを余儀なくされるのも特徴です。

 

障害年金とは

障害年金とは原則20歳~64歳の方を対象とし、病気やケガが原因で日常生活や就労に支障をきたしてしまった方が受給できる公的年金です。

以下3つの要件を満たせば受給できます。

  • 初診日(メニエール病の症状で初めて医療機関を受診した日)が証明できる
  • 年金保険料を一定期間納付しており未納がない
  • 障害等級に該当している

 

初診日時点で国民年金に加入していれば「障害基礎年金」となり、等級は通常1級と2級があります。

初診日時点で厚生年金・共済年金に加入していれば「障害厚生年金」で、等級は通常1~3級と障害手当金の4段階です。

 

メニエール病は障害年金の対象疾患です

メニエール病の症状が強く出ていたり、難治性で日常生活や仕事に影響が出ていたりする場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

 

メニエール病の特徴から、3級もしくは障害手当金となる方が多いです。

 

メニエール病では症状によって用いる基準が変わります。

めまいや吐き気などが強い場合は「平衡機能の障害」、難聴や耳鳴りなどが強い場合は「聴覚の障害」を基準として申請します。

場合によっては2つの障害を用いて併合認定を狙う手段もあります。

 

それぞれ2つの基準を解説します。

個人差が大きく関係するため、あくまで目安として参考にしてみてください。

 

メニエール病による「平衡機能の障害」の障害認定基準

平衡機能の障害での等級は1級がありません。

2級・3級・障害手当金の3段階です。

【2級】

  • 目を閉じた状態では立っていられない
  • 目を開けて直線を歩行し、10m以内に転倒するかよろめいてしまう

 

【3級もしくは障害手当金】

  • 就労に何らかの影響がでている
  • 目を閉じて立てるも不安定
  • 目を開けて直線を10m歩行し、多少転倒しそうになるか、よろめいてしまうがなんとか歩行できる

 

メニエール病による「聴覚の障害」の障害認定基準

聴覚の障害では、聴力検査の数値が具体的に挙げられています。

 

【1級】

両耳の聴力レベルが100デシベル以上の「両耳全ろう」と同等の状態。

メニエール病で1級に該当する人は少ないです。

 

【2級】

両耳の聴力レベルが重度の90デシベル以上で、耳元で大声で話しかけられても聞こえない程度。

こちらもメニエール病で該当する人は少ないでしょう。

 

【3級】

両耳の聴力が40m以上離れた距離から、通常の声が聞こえない程度。

  • 両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上
  • 両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上かつ、最良語音明瞭度が50%以下

 

【障害手当金】

「片耳」の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上。

(80デシベルはピアノの音が聞こえない程度)

 

 

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就労していても受給可能です

平衡機能の障害の場合、3級と障害手当金では「労働に制限を受けるか」についても考慮されます。

仕事に影響がでるほど症状が強い場合には、障害年金を受給できる可能性があるということです。

ただし、障害厚生年金のみ対象なので注意してください。

 

メニエール病における障害年金を申請する際のポイント

障害年金は書類のみで審査が行われます。

必要書類は人それぞれ違いがありますが、全員に共通して重要な書類は以下の3つです。

 

【医療機関で記載してもらう書類】

  • 受診状況等証明書(初診日を証明する書類):初診の医療機関と診断書作成を依頼した医療機関が同じ場合は不要。
  • 医師の診断書

 

【本人や家族が記載する書類】

  • 病歴・就労状況等申立書(発症してから現在までの経過を記載する書類)

 

障害年金の申請において最も重要な書類は「医師の診断書」です。

平衡機能の障害で申請する場合は特に、症状や日常生活に支障がでている部分を具体的に医師に伝えることが大切です。

仕事への影響が出ている場合は、具体的にどのような手助けをしてもらっているか、また休職や退職に至った場合はそれも伝えましょう。

 

病歴・就労状況等申立書は申請者が記載できる唯一の書類です。

診断書では記載しきれていない部分を補足するように細かく記載しましょう。

 

併合認定で上位等級を狙う

メニエール病では「平衡機能の障害」と「聴覚の障害」の2つを組み合わせて申請し、上位等級となる場合があります。

これを併合認定といいます。

診断書も2枚必要で大変な作業になりますが、併合認定によって上位等級となる可能性があるなら、組み合わせて申請することをおすすめします。

 

まとめ

メニエール病は症状の特徴から、障害厚生年金の3級や障害手当金に該当する方が多いです。

とはいえ障害年金は複雑な制度で、気をつけるべきポイントが多くて諦めてしまう方もいます。

しかし受給できる金額が大きいため、生活への負担軽減に繋がります。

手続きが心配な方は、障害年金のプロである社会保険労務士に依頼することをおすすめします。

 

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障害年金の申請についてご不明な点などがございましたらどんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)