【社労士が解説】妄想性障害の障害年金の申請について解説します!

被害妄想で悩む男性

精神障害の一つに妄想性障害があります。「妄想性障害でも障害年金を申請することができるか」という質問をインターネットで見かけますが、妄想性障害は障害年金の対象となります。

妄想性障害で障害年金を申請するポイントや判断基準について解説します。

 

妄想性障害とはどんな障害か?

妄想性障害はストレスが重なることで発症すると言われています。強い思い込みが1ヶ月以上続くのが特徴です。思い込みは現実にあり得ることから現実にありえないことまで様々で、思い込みが1つの場合や複数の場合があります。例えば、配偶者が浮気したという現実にあることから、傷あとなしに手術するなど現実ではあり得ない思い込みがあります。

 

妄想性障害にはいくつかの種類があります。誰かが自分に好意を持っている(被愛型)、自分にはすごい才能がある(尊大型)、恋人が浮気している(嫉妬型)、誰かに見張られている(被害型)、寄生虫にかかっている(身体型)などがあげられます。

 

幻聴や幻覚が伴う統合失調症と似ていると思われがちですが、妄想性障害は統合失調症よりもまれな障害です。妄想性障害は幻聴や幻覚が伴わないで強い思い込みが起こるという、統合失調症とのはっきりとした違いがあります。

 

病気ではない思い込みは、明確な証拠を提示されることで思い込みを改めることができます。しかし、妄想性障害の場合は、思い込みが違うというどれほどはっきりとした証拠が積み上げられても、思い込みを信じ続けます。思い込みによって危険な行動に出るようになると、家族など周りの人のサポートが必要になるでしょう。

 

障害年金を申請するための守るべき2つの条件

障害年金を申請するためには必ず守らなければならない2つの条件があります。2つの条件について説明します。

初診日に年金に加入している

妄想性障害の症状で病院を受診した時に、国民年金か厚生年金のいずれかに加入している必要があります。「受診状況等証明書」という書類があり、初診日がいつでどの病院を受診したかを証明する必要もあります。

保険料を納付している

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合委員機関を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上である必要があります。簡単に言うと保険料がしっかり支払われているか、保険料が払えない場合は免除申請をし通っている必要があるということです。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この条件は該当しません。

 

いずれの条件も満たしている必要がある

「初診日に年金に加入している」、「保険料を納付している」という2つの条件は必ず満たしている必要があります。例えば、妄想性障害の影響で他の人からの多くのサポートが必要でも、この2つの条件を満たしていないと、障害年金は申請できません。障害年金を申請するにあたってこの条件がクリアされているかどうか、まず確認する必要があるでしょう。

 

初診日とは?

初診日とは、妄想性障害と診断されるに至った病状で最初に病院を受診した日が初診日となります。妄想性障害と診断された日ではないので、間違えないようにしましょう。初診日を証明するために、初診日に受診した病院に証明書を書いてもらう必要があります。

 

初診日から時間が経っている場合は、初診日を証明することが難しくなるケースがあります。初診日の証明で困っている場合は、申請のプロに相談して初診日を証明するアイデアをもらうことができるでしょう。

 

障害年金の手続きの流れ

障害年金を申請するときは一般的に下記の流れを取ります。

1.初診日を確定する

2.保険料の納付要件を満たしているか確認する

3.受診状況等証明書を取得する

4.医師に診断書を作成してもらう

5.病歴・就労状況等申立書を作成する

6.申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)を揃える

7.年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する

 

等級判定ガイドライン

障害年金には等級があります。1級が一番重く、順に軽くなります。初診日に国民年金に加入していた人は1、2級となり、初診日に厚生年金に加入していた人のみ3級までの判定があります。

 

等級

障害の状態

1級

重い病気の症状が続き、強い思い込みのために常に誰かがサポートしなければ生活できない状態。

2級

病気の症状が続き、思い込みのために日常生活が大きな制限を受ける状態。

3級

病気の症状があり、仕事に大きな影響がある状態。

※分かりやすい表現を使用しています。

 

医師に診断書を依頼するポイント

医師は診察の時に伝えられたことから診断書を作成します。短い診察時間では障害から受けている日常生活の影響を伝え切ることは難しいでしょう。それで、自分が障害から生活にどのような影響を受けているか、医師に知ってもらうようにします。例えば、自分の生活の状況について文書にし診断書を依頼するときに添付することで、ありのままの状態を診断書に反映してもらうことができます。

医師の診断書は障害年金の受給に大きな影響があります。自分が妄想性障害からどれほど影響を受けているか、どれほどサポートを必要としているかを医師に伝え、診断書に反映していただくようにしましょう。

 

プロに相談できる

年金事務所に相談し、障害年金を申請しようとしても手続きが理解できず、申請できない人もいます。また、障害のためにどのような制限を受けているか、どのようなサポートが必要かを障害年金を審査する人に伝わる表現で書く必要があります。

 

障害年金の申請はさまざまな書類を揃えることに加え、大切なポイントもあります。障害年金を申請するプロに相談することで、障害年金の申請をスムーズに行うことができます。

 

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)