【特発性大腿骨頭壊死症・両足人工関節】働きながら障害厚生年金3級(永久認定)を受給できた事例

結果&年金額

【決定した年金種類と等級】 障害厚生年金3級(永久認定)

【受給確定した年金額】 約61万円

相談時の状況

愛知県にお住まいの40代男性(会社員)からのご相談でした。 15年ほど食品のルート配送業務に従事されていましたが、数ヶ月前から左臀部付近に強い痛みを感じるようになり、町の整形外科を受診。その後、大きな病院でのMRI検査を経て「特発性大腿骨頭壊死症」との確定診断を受けました。

ご相談いただいた時点では、左側の大腿骨頭は完全に壊死し、右側も壊死が進行している状態で、両足に人工骨頭(人工関節)を挿入する手術が目前に控えていました。強い痛み止めを使用しても動くのが困難であり、職場では助手がつくなどの配慮を受けてなんとか就労を継続している状態でした。 「手術をしたら今の体力を要する仕事は辞めざるを得ないかもしれない」と将来の生活や就労に対して強い不安を抱え、周囲からの勧めもあって当事務所の無料相談にご連絡いただきました。

社労士による見解

ヒアリングを実施した結果、以下の点から「障害厚生年金3級」の受給可能性が極めて高いと判断しました。

  • 初診日の年金制度: 初診日(臀部の痛みで初めて整形外科を受診した日)において、会社員として厚生年金に加入していたこと。
  • 納付要件: 長年同じ職場で勤務されており、社会保険料の未納がないこと。
  • 障害認定基準: 原則として、病気やケガで「人工関節」または「人工骨頭」を造設・置換した場合、現在の就労状況にかかわらず「障害厚生年金3級」に該当すること。
  • 障害認定日の特例: 通常、障害年金は初診日から1年6ヶ月経過しないと申請できませんが、人工関節の場合は「手術を行った日」が障害認定日となる特例が適用されます。

ご本人様は「働きながらでも受給できるのか?」「障害者手帳とは違うのか?」と疑問を持たれていましたが、障害年金と障害者手帳は全く別の制度であること、人工関節の場合は働きながらでも3級の手続きが可能であることを丁寧にご説明し、申請サポートをご依頼いただく運びとなりました。

受任してから申請までに行ったこと

手術前の段階からご相談いただけたことで、非常にスムーズに準備を進めることができました。

  1. 年金記録の迅速な確認: 委任状を頂戴し、年金事務所にて保険料の納付要件を満たしているかを真っ先に確認しました。
  2. 初診の証明(受診状況等証明書)の取得: 最初に受診した町の整形外科へ、早期に「受診状況等証明書」の作成を依頼し、初診日の証明を確実なものにしました。
  3. 診断書の作成依頼(特例の活用): 3月末に両足の人工関節置換術が無事に完了したのち、すぐに執刀先の病院へ「障害年金用の診断書」の作成を依頼しました。初診から1年6ヶ月を待たずに申請できる特例を活用するための手はずを整えました。
  4. 病歴・就労状況等申立書の作成: 「現在は就労できているが、会社から助手を付けてもらうなどの多大な配慮を受けていること」「車での通勤や階段の昇り降りなど、日常生活や業務においていかに支障が出ているか」を詳細にヒアリングし、診断書だけでは伝わりにくい就労時の困難さを申立書にしっかりと反映させました。

手術から約3ヶ月弱という最短のスケジュールで年金事務所へ申請(提出)を完了させました。

結果に対する社労士の感想

申請から約4ヶ月後、無事に「障害厚生年金3級」の受給が決定しました。さらに、人工関節置換による状態固定とみなされ、今後の更新手続きが不要となる「永久認定」での決定となりました。

今回は、ご相談者様が「手術前に専門家に相談する」という行動を起こされたことが最大の勝因でした。事前準備ができていたため、手術後すぐに診断書を取得して申請手続きへ移行でき、無給になるかもしれない療養期間の経済的リスクを最小限に抑えることができました。 「仕事への復帰や今後の働き方について、年金という経済的な柱ができたことで心に余裕が生まれました」とのお言葉をいただき、社労士として非常にやりがいを感じる事例となりました。

今回の事例から分かったこと・Q&A

【今回の事例からの学び:人工関節の特例を見逃さない!】 障害年金は「初診日から1年6ヶ月待たないと申請できない」と思い込んでいる方が多いですが、人工関節や人工骨頭の挿入・置換手術を行った場合は、その「手術日(初診日から1年6ヶ月以内の場合)」が障害認定日となり、すぐに申請が可能です。手術を控えている方は、術前に社労士へ相談しておくことで、術後スムーズに年金を受給できる可能性が高まります。

【よくあるQ&A】

Q. 現在フルタイムで正社員として働いていますが、障害年金はもらえますか?

A. はい、受給可能です。特に「人工関節」の手術を受けられた場合、障害厚生年金においては原則3級に認定される可能性が高く、在職中・就労中であっても年金を受け取ることができると考えられます。

Q. 障害者手帳(身体障害者手帳)を持っていませんが、障害年金の申請はできますか?

A. はい、申請可能です。障害者手帳(市区町村の管轄)と障害年金(日本年金機構の管轄)は全く別の制度であり、審査基準も異なります。手帳を持っていなくても障害年金を受給している方は多数いらっしゃいます。

Q. 特発性大腿骨頭壊死症で難病指定を受けていますが、年金申請に関係ありますか?

A. 指定難病であること自体が年金の審査を直接有利にするわけではありませんが、医療費助成(難病医療費助成制度)と障害年金は併用が可能です。病気によって日常生活や労働にどの程度支障が出ているか(今回の場合は人工関節への置換)が審査のポイントになります。

※本記事は実際のサポート事例をもとに、プライバシー保護の観点から一部情報を加工・編集して掲載しております。特発性大腿骨頭壊死症や人工関節の手術等で障害年金をご検討中の方は、ぜひお早めに専門家へご相談ください。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦
社会保険労務士法人 人財経営/仙台障害年金365日サポート

宮城県仙台市を中心に障害年金の申請支援を行い、これまでに障害年金に関する相談1,000件以上に対応しています。
うつ病・発達障害・双極性障害・統合失調症などの精神疾患をはじめ、さまざまな傷病の申請をサポートしています。
当サイトでは、実際の相談・申請支援の経験をもとに、障害年金の制度や申請時のポイントを分かりやすく解説しています。

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