【社労士が解説】大動脈解離と大動脈瘤の障害年金の申請について解説します!
大動脈疾患で手術を受けた人が障害年金を申請することが可能です。しかし、一般的な障害年金の申請と異なることもあります。今回の記事では、大動脈解離や大動脈瘤で手術を受けた人が障害年金を申請するポイントや通常の申請と異なる点を解説します。
大動脈疾患とは?
大動脈疾患は大きく分けて大動脈解離と大動脈瘤の2つに分けることができます。
大動脈解離
大動脈の内側の壁に亀裂が入り、壁の部分に血液が流れ込みます。血液が流れ込むことで大動脈に2つの通り道ができる病気を大動脈解離と言います。大動脈解離が発見された場合は、緊急に手術が必要になります。
大動脈瘤
大動脈がこぶのようにふくらむ状態を大動脈瘤と言います。大動脈瘤が大きくなると破裂する危険があるので手術が必要です。
障害年金では、大動脈疾患を心疾患による障害に分類されます。通常の障害年金は国民年金の場合は1級と2級があり、厚生年金の場合は1〜3級が該当します。しかし、大動脈解離や大動脈瘤の人は3級以外の認定はありません。それで、大動脈疾患で障害年金を申請する場合は、厚生年金に加入していることが条件の1つです。
初診日についても通常の障害の場合、診断された日ではなく診断につながる病状で受診した最初の日(初診日)から1年6ヶ月が経過してから障害認定され、障害年金の対象となります。しかし、大動脈解離や大動脈瘤は体調が悪くて病院を受診した日から1年6ヶ月経過していなくても、手術で人工血管やステンドクラフトを挿入した日以降に障害年金を申請できます。
大動脈疾患で障害年金を申請する条件をまとめると下記の2つの条件となります。
1.大動脈解離や大動脈瘤で手術を受け、人工血管やステンドクラフトを挿入した
2.手術の時点で厚生年金に加入している
障害年金を申請するためには、2の条件を必ず満たしている必要があります。
障害年金の手続きの流れ
障害年金を申請するときは一般的に下記の流れを取ります。
1.初診日を確定する
2.保険料の納付要件を満たしているか確認する
3.受診状況等証明書を取得する
4.医師に診断書を作成してもらう
5.病歴・就労状況等申立書を作成する
6.申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)を揃える
7.年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する
等級判定ガイドライン
障害年金には等級がありますが、大動脈解離と大動脈瘤には3級のみが該当します。障害の状態は下記の通りです。
等級 |
障害の状態 |
1級 |
該当なし。 |
2級 |
該当なし。 |
3級 |
1.大動脈解離や大動脈解離で手術し人工血管を挿入していて、下記のアかイのどちらかに該当する。 ア.軽い家事などの軽作業はできるものの、肉体労働は制限を受けている状態。 イ.歩いたり身の回りのことはできるが介助が必要なときがある。軽い仕事はできないものの昼間の半分は起きていられる状態。 2.大動脈解離や大動脈瘤に難治性の高血圧(収縮期血圧140mmHg又は拡張期血圧90mmHg以上)を合併している。 |
※分かりやすい表現を使用しています。
ガイドラインから分かるように、人工血管やステンドクラフトを挿入しただけで、障害年金に該当することはありません。大動脈解離や大動脈瘤と合わせて、心不全や心筋梗塞、手術後の後遺症があるという場合は、1級や2級に該当する場合があるので覚えておきましょう。
プロに相談するメリット
障害年金の申請し受給するためにはただ単に書類を揃えて提出するだけでは不十分です。受給するためのポイントがあります。プロに相談することでポイントを教えてもらい、障害年金を審査する人に障害の状態をありのままに理解してもらうことができ、障害年金を受給しやすくなるでしょう。
お問い合わせください
障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、遠慮なくご連絡をいただければと思います。
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