【社労士が解説】筋ジストロフィーの障害年金の申請のポイントとは

筋ジストロフィーは病状がゆっくり進んでいくため、障害年金の申請のタイミングが難しい病気です。

筋ジストロフィーで障害年金を申請するために等級の判断基準など必要な情報を知ることで、自分が対象になるかどうかを判断できます。

今回は筋ジストロフィーで障害年金を申請するためのポイントを解説します。

 

筋ジストロフィーとは

 

筋ジストロフィーは筋肉が壊れやすく再生されにくい、遺伝性の病気です。筋力が徐々に弱っていきます。

最初は、ペットボトルの蓋が開けにくくなる(指先の筋力が弱くなる)ことやつまづきやすくなったり、じっと立っていることが辛くなる(下肢筋力の低下)ことで症状に気づくことがあります。

 

筋力低下がゆっくりと進行し、知的障害や発達障害などさまざまな合併症を引き起こします。

進行していくので日常生活にも影響を及ぼし、介助が必要になります。筋ジストロフィーは障害の程度により障害年金の対象になります。

 

障害年金を申請するために満たすべき2つの条件

 

障害年金を申請するためには満たすべき2つの条件があります。それぞれの条件を見てみましょう。

 

「初診日に年金に加入している」

 

筋ジストロフィーで病院を受診した時に、国民年金か厚生年金のいずれかに加入している必要があります。

「受診状況等証明書」という書類があり、初診日を証明する必要もあります。

 

「保険料を納付している」

 

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合委員機関を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上である必要があります。

20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この条件は不要となります。

これは簡単に言うと、国民年金の場合は保険料を収めていないと障害年金を申請することができないということです。

 

「2つの条件も満たしていなければ申請できない」

 

「初診日に年金に加入している」、「保険料を納付している」という2つの条件は必ず満たす必要があります。

例えば、筋ジストロフィーの影響でどれほど障害があり他の人からの介助が必要でも、この2の条件が満たされていなければ障害年金を申請することはできません。

 

初診日が特定できれば、最寄りの年金事務所でこの2つの条件を満たしているかどうかを確認することができます。

障害年金を申請する前に大切な2つの条件を満たしていることを確認するようにしましょう。

 

初診日とは?

初診日とは、筋ジストロフィーと診断された日ではありません。筋ジストロフィーと診断されるに至る病状で病院を受診した最初の日が初診日となります。この初診日が起点となり、1年6ヶ月が経つと障害者として認定され、障害年金を申請できるようになります。

 

筋ジストロフィーは最初に病院を受診してから、障害年金を申請するまでに時間が経っているケースが多いため、初診日を特定しにくい場合があります。初診日を特定できない場合は、障害年金のプロに相談することで適切なアドバイスをもらい対処することができます。

 

障害年金の手続きの流れ

 

障害年金を申請するときは一般的に下記の流れを取ります。

1.初診日を確定する

2.保険料の納付要件を満たしているか確認する

3.受診状況等証明書を取得する

4.医師に診断書を作成してもらう

5.病歴・就労状況等申立書を作成する

6.申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)を揃える

7.年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する

 

等級判定ガイドライン

 

障害年金には等級があり、3級が一番軽く1級が一番重くなります。

国民年金の場合は1,2級のみですが、初診日に厚生年金に加入していた場合は、1級から3級までが対象となります。

 

等級

障害の状態

1級

日常生活が一人でほとんどできない状態。

2級

上半身か下半身の動作が一人で全くできない状態。

体全体の動作の一部が一人で全くできない場合か、できるもののとても不自由な状態。

3級

上半身か下半身の動作の一部が一人で全くできないか、一人でできてもやや不自由な状態。

 

障害年金の申請は助けてもらえる

 

障害年金の請求は手間と時間がかかります。

自分の体調が悪い場合は、障害年金の条件に合いそうでも申請自体が難しいこともあります。

初診日がいつかを証明したり、医師に診断書を依頼しなければなりません。

それ以外にも揃える書類があり、障害年金を申請できる条件が揃っているかどうかも判断できないこともあります。

障害年金の申請はストレスとなる場合があるためプロに相談することで不必要なストレスを減らして、障害年金の申請をスムーズに行うことができるでしょう。

 

お問い合わせください

 

障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので、遠慮なくご連絡をいただければと思います。

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①お名前、②生年月日(年齢)、③電話番号、④住所⑤初診日(医療機関に初めて受診した日)、

⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)

執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)