【社労士が解説】関節リウマチで障害年金を申請する際のポイントを解説します。
今回は関節リウマチの方が、障害年金を申請する際のポイントや注意点について解説していきます。
関節リウマチとは
関節リウマチとは、何らかの原因で免疫が異常に働き、自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことにより、関節に炎症や痛みが起こる病気です。
進行すると関節が破壊され変形し、動かなくなってしまいます。
男女比としては1:4で、女性の方が多いです。
近年登場した生物学的製剤により、早期発見できれば、関節リウマチは治せる病気になってきています。
しかし生物学的製剤は薬価が高く、治療される方の負担となっているのが現状です。
障害年金とは
障害年金とは原則20歳~64歳の方を対象とし、病気やケガが原因で日常生活や就労に支障をきたしてしまった方が、以下3つの要件を満たせば受給できる公的年金のことです。
- 初診日(関節リウマチに関連した症状で初めて医療機関を受診した日)が証明できる
- 年金保険料を一定期間納付し、未納がない
- 障害等級に該当している
初診日時点で国民年金に加入、もしくは初診日が20歳前の場合は「障害基礎年金」に該当し、障害等級は1級と2級があります。
初診日時点で厚生年金・共済年金に加入していれば「障害厚生年金」に該当し、障害等級は1~3級まであります。
上記要件を満たすことができれば、初診日から1年6ヶ月を過ぎた日が障害認定日となり、その翌月から障害年金が受給できます。
身体障害者手帳とは異なる制度ですので、混同しないようご注意ください。
関節リウマチの障害認定基準
症状によりますが、関節リウマチではほとんどの場合「肢体の障害」という基準で申請します。
これは日本年金機構が障害年金制度のために設けた基準です。
関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から総合的に判断されます。
杖などの補助具を使用している場合は、「補助具なし」の状態でどの程度できるかが大切です。
日常生活における動作としては、つまむ、握るなどの手指の機能、排泄時や更衣動作の際に必要な上肢の機能、歩行などにおける下肢の機能が挙げられます。
日常生活における動作のすべてが「一人で全くできない場合」は1級。
「一人でできてもやや不自由な場合」は、その程度によって2級となります。
3級は障害厚生年金のみ対象ですが「労働にどの程度の制限をうけているか」についても考慮され、就労しているからといってすぐ非該当になるわけではありません。
関節リウマチにより人工関節・人工骨頭をそう入置換された場合は、原則3級に認定されます。
人工関節・人工骨頭をそう入置換後もなお、日常生活において制限をうける場合、その程度によって2級以上になる可能性があります。
関節リウマチで障害年金を申請する際のポイント
障害年金の審査はすべて書類審査で行われます。
よって関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性と日常生活における動作の状態について、書類を通して明確に伝える必要があります。
以下に、書類作成時のポイントや注意点を解説していきます。
もっとも重要な書類は「医師の診断書」
関節リウマチにおける障害年金では「日常生活にどの程度支障が出ているか」が審査上、最も重要であり、「医師の診断書」に明記されている必要があります。
診察時だけでは、日常生活の部分までは、なかなか伝わりにくい面があります。
事前にメモにまとめておくなどをして、日常生活において支障がでている部分を具体的に、ありのまま医師に伝えましょう。
長年にわたり関節リウマチで闘病されている方は、日常生活でさまざまな工夫をされており、支障が出ている部分を「支障と感じていない」場合があります。
この場合、実際の状態よりも低い等級、もしくは不支給という結果になってしまいます。
障害年金の申請においては「支障が出ている部分」を明確に伝えることで受給に繋がるということを忘れないようにしましょう。
診断書を受け取ったら、事実と内容が相違ないかどうかも確認してください。
「病歴・就労状況等申立書」も大切
診断書の内容を補足するために「病歴・就労状況等申立書」も大切な書類となります。
病歴・就労状況申立書とは、関節リウマチを発症してから現在に至るまでの経過について、ご本人・ご家族が記載できる唯一の書類です。
診断書の内容と相違がないよう確認しながら、日常生活において支障が出ている部分をより丁寧に、詳しく記載します。
日常生活を客観的に捉えつつ、伝わりやすいよう意識しながら記載しましょう。
まとめ
関節リウマチにおける障害年金の申請では、「日常生活において支障がでている部分」がしっかりと書類に反映されている必要があります。
中でも重要な書類が「医師の診断書」と「病歴・就労状況等申立書」です。
障害年金は複雑な制度ですが、受給できるようになると生活への負担が軽減でき、治療に専念することも可能になります。
あきらめず、申請を検討してみてください。
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