【社労士が解説】高次脳機能障害の障害年金の申請を徹底解説します!
目次
高次脳機能障害で誰かのサポートを受けないと生活できなかったり、仕事ができなかったりする人がいます。収入を確保するために、障害年金の申請を考える人もいるでしょう。高次脳機能障害で障害年金を申請するためのポイントを解説します。
高次脳機能障害とは?
脳には、考えたり、記憶したり、感情を制御するといった働きがあります。こうした高度な機能は高次脳機能と呼ばれています。何かの原因で、脳の働きが悪くなると高次脳機能の働きも悪くなり、日常生活に影響が出たり、仕事ができなくなったりします。これを高次脳機能障害と言います。
高次脳機能障害の症状
脳の部位や症状の重さは様々ですが、下記のような症状があります。
記憶障害 |
すぐに忘れる、思い出せない。約束ができない。 |
注意障害 |
長時間作業できない、気が散りやすい。声をかけられても反応できない。 |
遂行機能障害 |
指示の通りにできない、どこから手をつけていいか分からない。計画して実行することが難しい。 |
社会的行動障害 |
その場に相応しくない感情が急に出てくる。自分の行動をコントロールすることが難しい。 |
失語症 |
コミュニケーションに必要なすべての機能に影響が出る。 |
失行症 |
一連の作業が覚えられない、その通りにできない。麻痺がなくでも行おうとする動作ができない。 |
失認症 |
物を見てもそれが何かを見分けることができない。聞いているものや触っているものが分からない。 |
障害年金を申請するための大切な2つの条件
障害年金を申請するためには大切な2つの条件があります。それぞれ見てみましょう。
初診日に年金に加入している
高次脳機能障害で病院を受診した時に、国民年金か厚生年金のいずれかに加入している必要があります。「受診状況等証明書」という書類があり、初診日がいつでどの病院を受診したかを証明しなければなりません。
保険料を納付している
初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合委員機関を含む)と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上である必要があります。20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、この条件は不要となります。
これは簡単に言うと、国民年金の場合は保険料をしっかり納めていないと障害年金を申請できないということを意味しています。
いずれの条件も満たしている必要がある
「初診日に年金に加入している」、「保険料を納付している」という2つの条件は必ず満たしている必要があります。例えば、高次脳機能障害で他の人からの多くのサポートが必要でも、この2つの条件を満たしていないと、障害年金は申請できません。
障害年金の手続きの流れ
障害年金を申請するときは一般的に下記の流れを取ります。
1.初診日を確定する
2.保険料の納付要件を満たしているか確認する
3.受診状況等証明書を取得する
4.医師に診断書を作成してもらう
5.病歴・就労状況等申立書を作成する
6.申請に必要な書類(戸籍謄本や通帳のコピーなど)を揃える
7.年金事務所か市区町村役場(または役所)に提出する
等級判定ガイドライン
障害年金には等級があります。1級が重く3級は症状が軽い判定です。初診日に厚生年金に加入していた人のみ3級の判定がありますが、国民年金の場合は1,2級のみとなります。
等級 |
障害の状態 |
1級 |
高次脳機能障害により、常にサポートを受けないと生活できない。 |
2級 |
高次脳機能障害により、サポートを受けないと生活できない。 |
3級 |
高次脳機能障害により、誰かの助けがないと仕事ができない。 |
仕事をしていても申請できる?
高次脳機能障害があっても、リハビリ目的で仕事をしているケースがあります。「仕事をしている = 障害が軽い」と判断されると思いがちですが、障害認定基準には、「仕事に従事していることをもって直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず」と書かれています。仕事をしている場合でも、仕事の状況や仕事の後の体の状態などさまざまな項目を検討して判断されます。「仕事をしているから自分は無理」と考えずに、障害年金の申請のプロへ相談するなど、諦めずに申請を検討することをお勧めします。
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⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)
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