【社労士が解説】気分変調症で障害年金を申請する際のポイントとは?

 

「気分変調症でも障害年金を受給できるの?」とお困りではありませんか?

 

気分変調症は障害年金の対象疾患であり、一定の基準を満たせば受給が可能です。

気分変調症の抑うつ状態としては、うつ病よりも比較的軽度という特徴から、うつ病よりも状態が軽いと判断されやすく申請の際は注意が必要です。

障害年金は書類審査のため、「医師の診断書」と「病歴・就労状況等申立書」の記載内容が非常に重要となります。

今回は、気分変調症で障害年金を申請する上での注意点やポイントについて、社会保険労務士である私が解説していきます。

 

気分変調症とは

気分変調症は持続性抑うつ障害ともいい、かつては抑うつ神経症とよばれていました。

気分の落ち込みが、うつ病は1日の中でも波があるのに対し、気分変調症では「1日中持続し、かつそれが2年以上継続する」のが特徴です。

うつ病は客観的にみても分かるほどですが、気分変調症では比較的軽度な抑うつ状態で波がほぼないことから、本人も周りも「こういう性格なのだ」と誤った認識をしがちです。

ゆえに無理をして、だんだんと悪化し慢性化する場合もあります。

慢性化すると、うつ病や不安障害、薬物依存やアルコール依存など他の精神障害を併発する確率も高いです。

症状自体は比較的軽度であるものの、日常生活や社会生活に及ぼす影響はうつ病と同等、あるいはそれ以上といわれています。

 

障害年金を受給するための基本的な要件

障害年金を受給するためには、まず前提として以下2つの要件を満たす必要があります。

 

初診日を証明できる

初診日とは、気分変調症に関連する症状で初めて医療機関を受診した日です。

精神障害は医師によって診断名が変わることがよくあります。

しかし障害年金では診断名が変更しても同一疾病として取り扱います。

よって最初はうつ病と診断されたが、現在は気分変調症と診断されている場合、うつ病で初めて医療機関を受診した日が初診日です。

初めての受診が必ずしも精神科とは限らず、不眠や倦怠感などの症状で最初に内科を受診している場合は、その症状で内科を初めて受診した日が初診日になります。

 

初診日時点で、国民年金もしくは厚生年金・共済年金の保険料を納付している

納付期間について一定の条件がありますが、年金保険料の未納がなければ、基本的に納付要件は満たしているでしょう。

免除期間は未納とはなりません。

初診日が20歳前の場合は年金保険料を納める義務がないため例外です。

初診日時点で国民年金に加入していれば「障害基礎年金」、厚生年金・共済年金に加入してれば「障害厚生年金」となります。

 

気分変調症における障害認定基準

上記2つの要件を満たし、さらに日本年金機構が示す障害認定基準に該当している必要があります。

気分変調症は症状が軽度という認識をされがちですが、障害年金の認定基準は「症状によって日常生活・社会生活にどの程度の支障がでているか」が大きなポイントです。

障害等級は1~3級までで、日常生活において常に援助が必要な状態であれば1級。

部分的な援助が必要であれば、その程度によって2級となります。

3級は初診日の時点で厚生年金・共済年金に加入していた方のみ対象ですが「労働にどの程度の制限をうけているか」についても考慮され、就労しているから非該当になるというわけではありません。

他の精神障害も併発している場合は、全ての精神障害を総合的に判断します。

 

 

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気分変調症で申請する際の注意点

気分変調症で障害年金を申請するにあたり「医師の診断書」と「病歴・就労状況等申立書」の記載が重要になり、これらの整合性も求められます。

気分変調症は状態が軽いと判断されやすく、書類の記載には注意が必要です。

書類内容が不十分なせいで不支給となってしまうケースは多々あり、精神障害のなかでも気分変調症は特に注意しなければなりません。

医師に診断書の作成を依頼する際は、実際の状態よりも軽い内容とならないよう「日常生活において支障がでている部分」を詳細に伝える必要があります。

また病歴・就労状況等申立書においても、診断書の内容を補足するような形で、具体的に記載します。

具体的なエピソードも交えながら記載すると伝わりやすいでしょう。

 

受給後の更新について

障害年金には「永久認定」と「有期認定」の2種類があります。

永久認定は症状が固定し、改善の見込みがないと判断された場合にのみ適用され、更新が不要です。

気分変調症では多くの場合、有期認定となり1~3年以内に更新手続きが必要になります。

更新手続きは再び医師の診断書が必要です。

よって医師とは長いお付き合いとなります。

医師によって患者との向き合い方や、診断書作成にあたってのスタンスは違います。

患者の言葉をよく聞き、ありのままの症状や日常生活を反映した診断書を作成してくれる医師を見つけることも大切です。

 

まとめ

気分変調症は精神障害の中でも比較的受給が難しいといわれています。

なぜなら抑うつ状態自体は、うつ病よりも軽度という一面があるためです。

しかし障害年金の申請にあたっては症状というよりも、「症状により日常生活で支障がでている部分」を具体的にアピールするようにしてください。

書類全体を通して「軽度」と判断されないような書き方が求められます。

書類の記載において注意する点が多いですが、障害年金を受給できるようになると生活への負担が軽減できます。

ぜひ申請を検討してみてください。

 

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)