【社労士が解説】障害年金3級はあるの?障害年金障害等級3級を徹底解説

 

障害年金は、病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に現役世代の方も含めて受け取ることができる年金です。

 

加入していた年金の種類によって障害の状態に応じて年金である1級から3級までの障害等級(※1)があり、年金に該当しない障害の状態の場合は障害手当金(一時金)があります。

 

今回はなかでも誤解の多い「障害等級3級」についてお知らせさせていただきます。

 

私に3級はあるの?ないの?

 

相談者の方に時々「○○さんには3級はありませんので2級以上に障害の状態が該当するかどうかがポイントになります。」との趣旨をお伝えすることがあります。

 

障害等級には単純に1級から3級があるわけではなく、初診日(※2)に加入していた年金の種類によって、お一人お一人ごとに障害の状態に応じて1級から3級までが障害認定の対象となる方1級から2級までが障害認定の対象となる方(=障害の状態が3級相当に該当しても年金が支給されない方)に分かれることになります。

 

例えば、Aさんの障害の状態が「障害年金の3級相当に該当する状態」だとしても、初診日に加入していた年金の種類によっては障害年金が支給されないことを意味します。

 

年金には3種類ある

 

年金の種類には国民年金・厚生年金・共済年金の3種類があります。

 

初診日にこの3種類のいずれの年金に加入していたかにより障害等級「1級〜3級」が障害認定の対象となる方、「1級と2級」だけが障害認定の対象となる方に分かれます。

 

初診日に加入していた年金が「国民年金」の場合、障害の状態に応じて障害基礎年金1級(972,250円+子の加算額(※3))、基礎年金2級(777,800円+子の加算額(※3))の障害基礎年金が対象となります。

 

初診日に加入していた年金が「厚生年金」の場合、障害の状態に応じて障害厚生年金1級((報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(223,800円)(※4)〕)、障害厚生年金2級((報酬比例の年金額)  + 〔配偶者の加給年金額(223,800円)(※4)〕)、障害厚生年金3級(報酬比例の年金額 〔最低保障額 583,400円〕)の障害厚生年金が対象となります。

 

共済年金については、基本的な仕組みは障害厚生年金と同じになります。

 

 

まとめ

 

 

障害厚生年金(障害共済年金)には障害の重いほうから障害等級1級、2級、3級とありますが、障害基礎年金には1級と2級だけで、3級はありません。

 

ご自分が障害等級1級から3級までが障害認定の対象となるか?あるいは障害等級1級と2級だけが障害認定の対象となるか?の判断がつかない場合は初診日に加入していた年金の種類によって決まることになりますのでまずはそこを確認してみましょう。

 

 

用語解説

障害等級(※1)とは?

障害等級 1級

 

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状によって、日常生活ができない程度のもの。 (他人の介助を受けなければ自分の身の回りのことができない程度)

 

障害等級 2級

 

身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が、 日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 (必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、日常生活は極めて困難で労働により収入を得ることができない程度)

 

障害等級 3級

 

労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。 また、傷病が治癒していない場合は労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度のもの。

 

初診日(※2)とは?

 

障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。

 

同一の病気やけがで転医があった場合は、一番初めに医師等の診療を受けた日が初診日となります。

 

子の加算額(※3)とは?

 

2人まで 1人につき223,800円

3人目以降 1人につき74,600円

 

子の加算額は障害年金の受給者に生計を維持されている子がいるときに加算されます。

 

なお、子とは18歳になった後の最初の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。

 

配偶者の加給年金額(223,800円)(※4)とは?

 

年金の受給者に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。

 

報酬比例部分の計算において、厚生年金期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして計算します。

 

また、障害認定日の属する月後の被保険者期間は、年金の計算の基礎とはされません。

障害年金の申請に関するご相談は当事務所まで

障害年金の申請についてご不明な点などがございましたらどんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。

 

初回相談無料!お問い合わせは電話・メール・LINEより

022-343-7126

メールの相談はこちらから

LINEの相談はこちらから

執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)