【社労士が解説】障害年金を申請するデメリットはない?気になる4ポイントを解説
こんにちは、社会保険労務士の下斗米です。
障害年金について相談を受けていますと
「障害年金をもらうデメリットはあるのですか?」
「障害年金をもらっていることが会社には知られますか?」
などなど結構聞かれることがございます。
あくまでわたしの私的な結論ではございますが「デメリットはない!」が回答になります。
しかしながら巷ではいくつかの「障害年金のデメリット(?)」
が語られていますので今回はそのことについてお話させていただきたいと思います。
デメリットといわれるもののそのほとんどは以下4点に集約されるかと思います。
1.健康保険の扶養から外れる
健康保険では、被保険者(加入者ご本人)が病気になったりけがをしたときや亡くなった場合、
または、出産した場合に保険給付が行われますが、
その被扶養者(ご家族など)についての病気・けが・死亡・出産についても保険給付が行われます。
この被扶養者になるためにはいくつかの要件がありますが
その1つに収入の要件がございます。
障害年金の受給額とその他すべての収入を合わせて
年間180万円未満でなければいけません。
180万円以上になった場合、扶養から外れてしまいます。
ただし、障害年金の金額だけで180万円を超えるということは
かなりハードルの高い金額になります
(なかなか超えることはないと思います。)。
例えばお仕事をしながら障害年金を受給している方も中にはいらっしゃいます。
その場合は可能性が出てくるのかなというような金額になります。
それだけ収入が多いという裏返しでもありますので
そもそもデメリットといえるかどうかという点もあります。
また、「扶養から外れる」ということは障害年金を受け取っている方だけのルールではなく
障害年金を受けていない一般の被扶養者(ご家族など)の方であっても
一定の収入(130万円)を超えると外れてしまいます。
2.寡婦年金をもらえなくなる
寡婦年金とは
寡婦年金は、死亡日の前日において
国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間
および国民年金の保険料免除期間が10年以上ある夫が亡くなったときに
その夫と10年以上継続して婚姻関係(事実上の婚姻関係を含む)にあり
死亡当時にその夫に生計を維持されていた妻に対して
その妻が60歳から65歳になるまでの間支給されるものです。
寡婦年金は、遺族年金をもらえない妻に対して、
死亡した夫がもらえるはずであった老齢年金の一部が支給されるものです。
これにより老齢年金が支給されない空白期間
(60歳から65歳までの5年間)の妻の収入を保障する一方、
夫の年金保険料が掛け捨てになることを防いでいます。
障害年金を受給している場合は空白部分はない、ということになります。
3.死亡一時金をもらえなくなる
死亡一時金は、死亡日の前日において
国民年金の第1号被保険者とし保険料を納めた月数
(4分の3納付月数は4分の3月,半額納付月数は2分の1月,4分の1納付月数は4分の1月として計算)が36月以上ある方が、
老齢基礎年金・障害基礎年金を受けないまま亡くなった時、
その方によって生計を同じくしていた遺族
(1・配偶者、2・子、3・父母、4・孫、5・祖父母、6・兄弟姉妹の中で優先順位の高い方)
に支給されるものです。
こちらについても年金保険料の掛け捨て防止の意味合い
のものですのでご本人が老齢基礎年金・障害基礎年金を受け取った場合は
もらえなくなります。
4.障害年金を受給した場合、会社に知られる?
結論から申しますと基本的には知られることはありません。
障害年金は全額非課税ですので
年末調整時に会社に受給していることを届ける用紙もありませんし
伝える必要もありません。
※年末調整には障害者控除というものがありますが
こちらは必ずしも「障害年金の受給者=障害者控除の対象者ではありません。
また障害者控除の対象者だとしても
原則裏付けとなる添付書類は必要ありませんので
直接的に障害年金の受給者であることを知られることはありません。
ご本人が障害年金を受給していることを
積極的に会社に伝えようと思わない限り会社に知られることはありません。
ただし、1点だけ注意が必要です。
傷病手当金を申請する場合、傷病手当金を申請しようとしている
同じ病気やケガで現在障害年金を受給しているか
または申請中であるかをお知らせしなければなりません。
これが唯一ダイレクトに会社に知られるものになります。
※傷病手当金とは
傷病手当金は、病気休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために
設けられた制度で、病気やけがのために会社を休み、
事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
なお、任意継続被保険者の方は、傷病手当金は支給されません
(健康保険法第104条による継続給付の要件を満たしている者は除く。)
ご相談ください
障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら
どんな些細なことでも構いませんので
遠慮なくご連絡をいただければと思います。
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