「全部めんどくさい、何もしたくない」その気持ち、放っておかないで。

うつ病で悩む男性

朝起きても身体が重く、仕事や家事を考えるだけで「全部めんどくさい」「何もしたくない」と感じてしまう──そんな状態が続いていませんか?

厚生労働省の調査によると、ストレスや不安感があるのに「特に何もしていない」と回答した人が全体の23.1%もいることがわかっています。(※)つまり、あなたと同じような悩みを抱えながらも、一人で我慢している人がとても多いのです。

誰にでも起こり得ることですが、実は心の病気が隠れている可能性もあります。本記事では原因と対処法、そして経済的な支えとなる制度について社労士が解説します。

※参考:令和6年版厚生労働白書-こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に-(本文)|厚生労働省

なぜ「全部めんどくさい、何もしたくない」と感じるのか

「全部めんどくさい、何もしたくない」という感情には、さまざまな原因が考えられます。一時的なものもあれば、より深い問題が隠れている場合もあります。

心身の疲労蓄積

まず考えられるのは、心身の疲労の蓄積です。現代社会では、仕事や家事、人間関係など多くのストレスにさらされ続けています。

十分な休息を取れないまま日々を過ごしていると、気付かないうちに疲労が溜まり、意欲の低下や、無気力などにつながってしまいます。

職場環境や人間関係などによるストレス

厚生労働省の調査では、不安感の主な原因として「仕事上の人間関係」が23.4%、「経済的な問題」が32.2%を占めることが明らかになっています。(※)

職場での過度なプレッシャーや人間関係のトラブル、家庭内の問題なども「何もしたくない」という気持ちを引き起こす大きな要因です。

とくに、理不尽な扱いを受けたり、自分の努力が認められなかったりすると、心のエネルギーが枯渇してしまうことがあります。

※参考:令和6年版厚生労働白書-こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に-(本文)|厚生労働省

心の病気が隠れている

注意すべきなのは、これらの感情が心の病気からくる症状の可能性があることです。一時的な疲れやストレスであれば休息によって改善されますが、長期間続く場合は専門的な治療が必要かもしれません。

「めんどくさい、何もしたくない」は心の病気のサインかもしれません

「全部めんどくさい、何もしたくない」という気持ちが慢性的に続き、何をやっても楽しめない、食欲がない、眠れないといった症状をともなう場合、それはうつ病など心の病気のサインかもしれません。

うつ病は、脳の機能に何らかの不調が起き、意欲や気力が低下する病気です。気分変調症、双極性障害、統合失調症など、意欲の低下をともなう病気は他にもあります。

これらの病気は、決して個人の性格や努力不足で起こるものではなく、適切な治療によって改善が見込めます。

「めんどくさい、何もしたくない」を解決するステップ

「全部めんどくさい、何もしたくない」という状態から抜け出すためには、まず自分自身の心と身体の状態を正しく理解し、適切な対処をすることが大切です。

ステップ1:専門医への相談

もし「全部めんどくさい、何もしたくない」という気持ちが2週間以上続き、日常生活に影響が出ているようであれば、心療内科や精神科を受診してみましょう。「こんなことで病院に行っていいのかな?」と思うかもしれませんが、早めの受診が早期回復につながります。

心の不調は、風邪と同じように誰にでも起こりうるものです。専門家である医師に相談することで原因を特定し、自分に合った治療法を見つけられます。

ステップ2:経済的な不安を解消する「障害年金」という選択肢

「病気で働けなくなったらどうしよう」「治療費が心配」といった経済的な不安は、心の不調をさらに悪化させてしまいます。そんな不安を抱える方にとって、公的制度である「障害年金」は大きな支えとなります。

障害年金とは?

障害年金は、病気やケガによって生活や仕事に支障が出ている方が受け取れる公的年金です。精神疾患も、障害年金の対象になります。

働けない、または働くことに大きな支障がある場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

参照:障害年金|日本年金機構

障害年金を受給するには?

障害年金を受給するためには、以下3つの要件を満たす必要があります。

・初診日要件:申請する疾患で初めて医師の診察を受けた日(初診日)が、国民年金または厚生年金に加入している期間にあること

・保険料納付要件:初診日の前日までに、定められた期間の年金保険料を納めていること

・障害認定日要件:初診日から1年6カ月を経過した日、またはそれ以前に症状が固定した日に、一定の障害状態にあると認められること

これらの要件を満たしたうえで、医師の診断書や病歴・就労状況等申立書など、複数の書類を提出して審査を受ける必要があります。

ステップ3:社労士に相談する

このように、障害年金の申請手続きは複雑です。症状があるなか、自分一人で申請作業をおこなうのは大きな負担になります。

しかし、障害年金を専門とする社労士に依頼することで、申請作業を代行してもらうことが可能です。

社労士は、申請に関わる一連の手続きを全面的にサポートしてくれます。また、あなたの状態を正確に把握し、認定の可能性を高める適切なアドバイスも提供してくれます。

以下の記事では、精神疾患で障害年金を受給する場合、具体的にいくらもらえるのか、申請時の注意点も含めて詳しく解説しています。

≫≫「【最新版】精神障害で国からもらえるお金「障害年金」を社労士が解説」はコチラ

まずは受診をして、病気が原因だとわかったら社労士に相談しましょう

「全部めんどくさい」「何もしたくない」という気持ちは、決して甘えではありません。心の病気が隠れている可能性があります。

・まずは専門医を受診して、原因をはっきりさせましょう。
・病気が原因で働きにくさや生活の不安がある場合には、障害年金の活用を検討してください。
・その際は、経験豊富な社労士に相談することでスムーズに申請を進められます。

小さな一歩でも踏み出すことで、状況は少しずつ変わっていきます。どうかその気持ちを抱え込まず、専門家に相談してみてください。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)