【2025年度最新】気分変調症で障害年金はいくらもらえる?具体的な受給額を社労士が解説

うつ病で悩む男性

あなたは、
「気分変調症だと障害年金はいくら受給できるの?」
「働きながらだともらえない?」

このように、お考えではありませんか?

気分変調症は障害年金の対象疾患であり、障害年金を受給できる可能性があります。
また、2025年度の障害年金額は、2024年度から原則1.9%の引き上げとなりました。

この記事では、気分変調症で障害年金をいくら受け取れるのか、最新情報と受給するためのポイントを整理して解説します。

気分変調症で受け取れる障害年金額

障害年金は、年金保険料を一定期間納めていて、かつ原則20~64歳までの方が、病気やケガによって日常生活や就労に支障がある場合に受け取れる公的年金です。

気分変調症で障害年金を申請する場合、受給額は個人によって異なります。
受給額を決定づける主な要素は以下のとおりです。

・初診日の時点で、どの年金制度(国民年金・厚生年金)に加入していたか

・障害の等級

・家族構成

・障害認定日

また、障害厚生年金では厚生年金への加入期間や、在職中の給与額によっても受給額が変動します。

以下、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に分けて、2025(令和7)年4月~2026(令和8)年3月の年金額を解説します。

障害基礎年金(初診日に国民年金に加入)の場合

障害基礎年金は、初診日の時点で国民年金に加入していた人が対象です。
障害基礎年金では、障害等級は1級と2級しかありません。障害等級に応じて、以下の固定額が支給されます。

■1級

1,039,625円(月額86,635円)

昭和31年4月1日以前生まれの方は1,036,625円(月額86,385円)

■2級

831,700円(月額69,308円)

昭和31年4月1日以前生まれの方は829,300円(月額69,108円)

さらに、いずれの等級においても子どもがいる場合は加算額があります。

■子の加算額

2人まで:1人につき239,300円(月額19,942円)

3人目以降:1人につき79,800円(月額6,650円)

子は18歳未満の高校卒業時(3月31日)までの子、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態にある子です。

※参考:日本年金機構|障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

障害厚生年金(初診日に厚生年金に加入)の場合

障害厚生年金は、初診日の時点で厚生年金・共済年金に加入していた人が対象です。
障害厚生年金には等級が1~3級、そして障害手当金(一時金)があります。また、配偶者の加算額があるのも特徴です。

障害厚生年金の1~2級に該当する人は、障害基礎年金も同時に受け取れます。

具体的な計算としては、以下のとおりです。

■1級

障害基礎年金1級分 + (報酬比例の年金額) × 1.25 + 配偶者の加算額(239,300円)

■2級

障害基礎年金2級分 + (報酬比例の年金額) + 配偶者の加算額(239,300円)

■3級

(報酬比例の年金額)のみで、最低保証額が623,800 円です。

昭和31年4月1日以前生まれの方は622,000円

報酬比例の部分は、在職中の平均月収(賞与を含む)と厚生年金の加入期間をもとに計算されます。
また、配偶者加算は「生計を維持している65歳未満の配偶者がいる場合」に適用されます。

※参考:日本年金機構|障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額

遡及請求について

障害年金は、障害認定日(初診から1年6ヶ月後)以降に請求できるという特徴があります。そのため、気分変調症に関連する症状で初めて医療機関を受診した日が何年も前の場合、その日に遡って請求することも可能です。これを遡及請求といいます。

ただし、遡及請求は障害認定日から5年以内に行う必要があります。請求が遅れると、受給開始時期も遅くなるため、早めの手続きが重要です。

気分変調症での事例を用いた障害年金額のシミュレーション

具体的な金額が想像しやすいよう、事例をもとにシミュレーションしました。
よかったら参考にしてみてください。

【事例1】Aさん(40代女性)/無職

■事例

初診日時点での加入していた年金の種類:国民年金

家族構成:配偶者あり、子ども1人

日常生活:外出は通院時のみ

■受給額

障害基礎年金2級:1,071,000円(月額89,250円)

【事例2】Bさん(30代男性)/アルバイト

■事例

初診日時点での加入していた年金の種類:厚生年金(加入期間10年)

報酬比例の年金額:300,000円

家族構成:配偶者なし、両親と暮らしている

日常生活:仕事を続けることが困難で、家族の支援が必要

■受給額

障害厚生年金2級:1,131,700円(月額94,308円)

【事例3】Cさん(50代女性)/主婦

■事例

初診日:5年前

初診日時点での加入していた年金の種類:国民年金

家族構成:配偶者あり、成人した子どもが2人

日常生活:ほとんど外出せず、家族の支援が必要

■受給額

障害認定日からの遡及請求を行い、5年分の障害年金を受給

障害基礎年金2級での遡及額:

831,700円 × 5年 = 4,158,500円

気分変調症で働きながらでも障害年金を受け取ることは可能

気分変調症の症状自体は比較的軽度でも、日常生活や社会生活に与える影響は、うつ病と同等かそれ以上と言われています。

障害年金では、症状の重さよりも「日常生活への影響度合い」が大きなポイントとなり、障害厚生年金3級では「労働に制限があるかどうか」について考慮されます。

そのため、完全に働けない状態でなくても、労働に制限がある状態であれば受給できる可能性があるということです。
また、障害年金には原則として所得制限がないため、収入が増えても減額や停止されることはありません。

少しでも可能性があると感じたら、諦めずに障害年金に詳しい社労士に相談することをおすすめします。
気分変調症で障害年金を申請する際のポイントについて、以下の記事も参考にしてください。

≫≫「【社労士が解説】気分変調症で障害年金を申請する際のポイントとは?」はコチラ

気分変調症で障害年金を検討する際は社労士を活用しましょう

障害年金を受給できるようになると、経済的負担の軽減に役立ちます。

しかし、障害年金制度は複雑で、申請は大変な作業です。また、書類の書き方ひとつで不支給となるケースもあり、記載方法には細心の注意が必要です。

気分変調症で障害年金の申請を検討する場合は、障害年金に詳しい社労士に相談して確実な受給につなげましょう。

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障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)