反復性うつ病性障害と仕事を両立する方法|支援制度を活用した働き方

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あなたは、
「反復性うつ病性障害と仕事の両立方法を知りたい」
「繰り返すうつ病に、どういう働き方が合っているかわからない…」

このようにお考えではありませんか?

うつ病を繰り返しながら、仕事を続けることは本当に大変なことです。
この記事では、反復性うつ病性障害の特性に合わせた働き方について社労士が解説します。

反復性うつ病性障害とは

反復性うつ病性障害とはその名の通り、うつ病を繰り返す疾患です。
うつ病と同様に、抑うつ気分や興味喪失、疲労感といった症状が現れ、1回のうつ病は平均6ヶ月程度続きます。

通常のうつ病との大きな違いは、再発を繰り返す点です。また、双極性障害でみられるような躁状態はなく、うつ状態の反復がみられます。
2週間以下の短期間で頻繁にうつ症状を繰り返す「反復性短期抑うつ障害」では、生活がより不安定になりやすい特徴があります。

反復性うつ病性障害で起こる仕事への影響や困りごと

反復性うつ病性障害は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返す特性により、日常生活だけでなく仕事にも影響を与えます。

主な仕事への影響や困りごとは以下のとおりです。

・集中力や注意力が低下する
・判断力・決断力が低下する
・意欲・行動力が低下する
・対人関係が悪化する
・休職・退職を繰り返す

これらが複合的に影響し、仕事を続けるのが難しくなることもあります。

反復性うつ病性障害で仕事を継続するためのポイント9つ

ここでは、反復性うつ病性障害の方が仕事を継続するためのポイントについて解説します。

治療を継続する

反復性うつ病性障害は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すため、途中で治療を中断してしまう方が少なくありません。

しかし、自己判断で薬を減らしたり止めたりすると、再発リスクが高まります。主治医と相談しながら服薬を継続し、定期的な通院を欠かさないようにしましょう。

病状を正しく理解して受け入れる

自分の状態を客観的に把握し、反復性という特性を理解することが大切です。

「完全に治る」ことを目指すのではなく、「上手に付き合っていく」という視点を持つことで、無理のない働き方ができる可能性があります。

食事や睡眠などの生活リズムを整える

バランスの良い食事と適度な運動、そして適切な睡眠時間を確保することは、脳やこころの健康を保つうえでも重要です。

短時間勤務や在宅勤務など、柔軟な働き方を検討する

フルタイム勤務が難しい場合は、短時間勤務や時差出勤、在宅勤務などを検討しましょう。
自分に合った働き方を見つけられると、仕事を続けられる可能性が高まります。

障害者手帳を取得して障害者雇用も検討する

精神障害者保健福祉手帳を取得できると、障害者雇用枠での就労が可能になり、職場での合理的配慮を受けやすくなります。

就労支援機関等を利用する

障害者職業センターや就労移行支援事業所などの、支援機関を活用しましょう。就労前の準備や職場への定着支援など、さまざまなサポートを受けられます。

職場に理解を求める

伝えたくない内容まで伝える必要はありませんが、業務上の制限点などは明確に伝えておくと誤解されにくくなります。

できるだけ残業しない

過度な労働は再発の大きな要因となります。残業はできるだけ避け、定時で帰る習慣をつけましょう。

調子が悪いときは無理をせず休む

症状の悪化を感じたら、早めに休息を取ることが大切です。無理を続けると反復性うつ病性障害の悪化につながりかねません。

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反復性うつ病性障害で仕事を継続するために役立つ支援制度5つ

経済的支援を受けながら仕事ができると、症状の安定にもつながりやすくなります。
無理なく仕事を続けるために、反復性うつ病性障害で利用できる制度を知っておきましょう。

支援制度

概要

窓口

障害年金

障害により日常生活に支障がでている場合に受給可能。等級により支給額が異なる。3級は就労しながらでも受給可能。

年金事務所

精神障害者保健福祉手帳

等級に応じて税金控除や公共料金割引などの優遇措置がある。障害者雇用枠での就労も可能になる。

市区町村

傷病手当金

会社の健康保険加入者が対象。働けない期間に月給の約3分の2を通算1年6ヶ月受給できる。

会社もしくは、全国健康保険協会など

自立支援医療制度

精神疾患の治療費の自己負担を原則1割に軽減。所得に応じた負担上限額あり。

市区町村

生活保護

就労困難で収入・資産が一定以下の場合に利用できる。

市区町村

 

これらの適用条件は、個人の状況や症状の程度によって異なります。

反復性うつ病性障害で障害年金を受給したい方は社労士に相談しましょう

反復性うつ病性障害により、長期的に日常生活や社会生活に影響がでている場合、障害年金を受給できる可能性があります。
とくに、障害厚生年金3級は「就労に制限を受けているか」も考慮されるため、就労しながらの受給も可能です。

障害年金で安定的な収入を確保しつつ、無理のないペースで仕事ができる可能性があるわけです。これにより経済的な不安が軽減でき、過度な労働による症状悪化を防げるメリットがあります。
障害年金は、複雑な手続きやポイントをおさえた書類の用意が必要なため、自分で申請して不支給になってしまう方も少なくありません。

自分で申請を進めることに不安がある場合は、社労士に相談するのがおすすめです。
うつ病での障害年金申請については、以下の記事で詳しく解説しています。よかったら参考にしてください。

≫≫「【社労士が解説】うつ病で障害年金の申請について徹底解説します!」はコチラ

まとめ

反復性うつ病性障害を完全に治すことは難しくても、適切な治療と環境調整により、症状とうまく付き合いながら仕事を続けられる可能性があります。

うつ症状の波の把握や、無理しないペース配分、そして支援制度の活用が重要です。支援制度を活用することで、過度な労働による再発リスクを減らしながら仕事を続けられるかもしれません。

「障害年金の対象な気がするけど手続きが難しくてわからない…」という方は、ひとりで抱え込まず、社労士に相談することをおすすめします。
障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)