【社労士が解説】人工股関節の保険給付金|手術でもらえるお金の制度5つ
あなたは、
・人工股関節の手術費用を把握したい
・人工股関節で受け取れる保険給付金について知りたい
・人工股関節で経済的支援が受けられる制度があれば活用したい
このようにお考えではありませんか?
人工股関節手術は、活動的な生活を取り戻すために大切な治療ですが、手術費用やその後の生活費などを考えると、経済的な不安を感じる方は少なくありません。
この記事では、人工股関節手術が必要な方々を数多くサポートしてきた社労士が、人工股関節にかかる手術費用の目安や、利用できる給付金制度について解説します。
人工股関節の一般的な手術費用
人工股関節手術の総費用は、手術方法や入院期間によって変動しますが、一般的には約200〜250万円程度です。
具体的な内訳の例は、以下のとおりです。
・手術費用:約70万円
・入院費:1日あたり約2万円
・人工関節の材料費:約20~50万円
ただし、健康保険が適用されるため通常3割の自己負担で、約60~80万円程度になります。さらに、高額療養費制度を利用することで、月ごとの自己負担額に上限が設けられます。
実際に支払う具体的な金額は個人によって異なるため、担当医や医療ソーシャルワーカーなどに相談しましょう。
人工股関節で利用できる保険給付金や対象となる制度
人工股関節の手術で利用できる保険給付金や、経済的支援制度を具体的にみていきましょう。
高額療養費
高額療養費制度は、1ヵ月の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。
参考として、代表的な例をいくつか見てみましょう。
■70歳未満で年収約370~770万円の場合
限度額は80,100円+(医療費-267,000円)×1%
■70歳以上で年収約156~370万円の場合
限度額は57,600円
入院時の食事代や差額ベッド代は対象外となるため、注意が必要です。高額療養費制度を利用するには、事前に加入している健康保険組合や市区町村の国民健康保険窓口に申請する必要があります。
申請が認められると「限度額適用認定証」が発行され、医療機関の窓口で提示すれば、支払いを自己負担限度額までに抑えられます。
※参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省
障害年金
人工股関節を挿入した場合は、原則として障害年金の3級に該当します。
障害年金は、病気やケガで生じた障害によって日常生活や就労に制限がある方を支援する制度です。これにより、年間約58~78万円の支給を受けられる可能性があります。家族構成や症状の程度、日常生活動作の状況によっては、さらに受給額が高くなります。
ただし、受給するためにはいくつかの要件があり、障害年金3級に該当するには初診日の時点で厚生年金に加入していることが条件です。国民年金に加入していた場合は、1級または2級の障害認定基準に該当しなければ受給できません。
また、障害年金は審査が厳格なため、適切な診断書の作成とミスのない申請手続きが重要になります。実際、申請時の1つのミスが、その後の受給の可能性に影響することも多々あります。
障害年金の申請を検討される方は、専門家のサポートを受けながら申請作業を開始するのがおすすめです。
人工関節で障害年金の申請を検討されている方は以下の記事も参考にしてみてください。
≫≫「【社労士が解説】人工関節または人工骨頭をそう入置換された方へ障害年金について解説します」はコチラ
傷病手当金
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合に、給与の約3分の2が支給される制度です。医師の証明により労務不能と認められた場合、連続して3日間仕事を休んだ後の4日目から支給されます。なお、傷病手当金を受け取れるのは、通算1年6ヶ月までという期限があります。
また、傷病手当金は会社員や公務員など勤務先の健康保険(協会けんぽや健康保険組合など)に加入している方が対象です。自営業の方などが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金制度はありません。
※参考:傷病手当金|全国健康保険協会
加入している医療保険からの給付金
公的医療保険とは別に、民間の医療保険に加入している場合、追加の給付金を受け取れる可能性があります。
医療保険の種類は、入院給付金・手術給付金・通院給付金などさまざまです。また、手術の種類や保険商品によって給付額や支給条件が異なるため、加入している保険の内容を確認してください。
手続きには、診断書や手術証明書などの書類が必要となります。加入している保険の内容が不明な場合は、契約書を確認するか保険会社に問い合わせましょう。
指定難病(特発性大腿骨頭壊死症など)による医療費助成
人工股関節手術の原因が、特発性大腿骨頭壊死症といった指定難病の場合、医療費助成制度を利用できる可能性があります。
指定難病に認定されると、医療費の自己負担が3割から2割に軽減され、さらに所得に応じて月ごとの自己負担上限額が設定されます。助成対象には入院費や手術費、薬剤費などが含まれますが、差額ベッド代や食事代は対象外です。
特発性大腿骨頭壊死症で指定難病や医療費助成の申請を検討される方は、以下の記事も参考にしてください。
≫≫「【社労士が解説】特発性大腿骨頭壊死症の難病申請|使える制度をフル活用」はコチラ
特発性大腿骨頭壊死症以外に、以下のような疾患も指定難病として医療費助成を受けられる可能性があります。
・関節リウマチ
・全身性エリテマトーデス
・強直性脊椎炎 など
指定難病で医療費助成を受ける方法について詳しく知りたい方は、難病情報センターのホームページをご覧ください。
※参照:指定難病患者への医療費助成制度のご案内|難病情報センター
障害年金の申請は社労士を活用するのがおすすめ
人工股関節手術は、高額な医療費がかかるため、経済的な負担を軽減できるさまざまな制度が用意されています。ご自身の状況に合わせて、これらの制度を活用しましょう。
とくに、経済的な負担を大きく軽減できる障害年金の申請手続きは、専門的な知識なしでは対応が難しい複雑な作業です。
スムーズかつ確実な受給のためにも、障害年金に詳しい社会保険労務士のサポートを受けながら申請されることをおすすめします。
障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。
メール、LINE、お電話(土日も対応)、いずれの方法でも結構ですのでお問い合わせをお待ちしております。
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