統合失調症の「一人暮らし」でも障害年金2級を受給できる条件とは?

40代精神疾患女性

あなたは、
・統合失調症だけど「一人暮らし=自立」と判定されて障害年金はもらえないのかな?
・障害年金2級を受給しながら一人暮らしを続けたい
・統合失調症の一人暮らしで障害年金2級に該当する人ってどんな人?

このようにお考えではありませんか?
家族や福祉サービスなどのサポートを受けながら、なんとか一人暮らしをしていたり、事情があってやむを得ず一人暮らしをしていたりするケースもあります。

結論、統合失調症の一人暮らしで障害年金2級を受給されている方は多くいらっしゃいます。
ただ近年、一人暮らしの2級認定条件が厳しくなってきた傾向にあり、申請の際は注意が必要です。

この記事では、統合失調症で一人暮らしをしながら障害年金2級を受給するためのポイントについて、社労士である私が解説します。

統合失調症で一人暮らしの場合における近年の2級認定の変化

以前は、統合失調症で一人暮らしの人でも2級に認定されるケースは多くみられました。
しかし近年、2級と認められないケースが増えています。

おそらく「一人暮らし」という情報だけでは、「自立していて日常生活に支障がない」と判断されてしまうのでしょう。
そのため、「具体的な状況を細かく伝える」ことが求められます。

障害年金の認定基準は年々変化するため、請求側もそれに合わせた対応をしていくことで、低い等級と認定されたり、不支給となったりするのを回避できます。

 

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障害年金制度における2級と3級の大きな違い

障害年金の2級と3級では、受給額や受給条件に大きな違いがあります。

そもそも、初診日(統合失調症で初めて受診した日)の時点で国民年金に加入していた人は、障害基礎年金に該当します。
ちなみに障害基礎年金では、3級がありません。
3級があるのは障害厚生年金のみで、「初診日の時点で厚生年金に加入していた人だけ」が受け取れます。

これらを含め、違いを分かりやすくまとめると以下のとおりです。

【障害基礎年金の人】
■2級だと…
受給できる

■3級はないので…
何も受け取れない

【障害厚生年金の人】
■2級だと…
以下の合計額を受給できる
「障害基礎年金2級相当額」+「障害厚生年金(報酬比例の年金)」+「配偶者加給年金」

■3級だと…
「障害厚生年金(報酬比例の年金)」のみ受給できる
最低保証額あり

このように、いずれの場合でも「3級より2級の方が良い」のは明らかです。
具体的な金額は個々によって異なりますが、2級に該当しそうと予想できるのであれば「2級認定を取得できるようなポイント」をおさえることが大切です。

 

統合失調症で一人暮らしをしながら障害年金を受給するためのポイント

一人暮らしをしながら障害年金を受給するためには、申請の際に以下の内容について詳しく伝えることが大切です。

 一人暮らしをしている理由
 実際の状況
 第三者の支援状況

これらの内容を「医師の診断書」や「病歴・就労状況等申立書」に記載しましょう。
なかでも、等級を左右する重要な書類は「医師の診断書」です。
そのため、あらかじめメモなどに書いて受診の際に持って行くのがおすすめです。

 

統合失調症で一人暮らしをしていても2級が認められるケース

以下のようなケースでは、2級に認められる可能性があるでしょう。
 家族や福祉サービスなどの支援を受けている
 家の中はゴミ屋敷のようになっている
 事情があって、やむを得ず一人暮らしをしている

それぞれ説明します。

家族や福祉サービスなどの支援を受けている

家族や親族、近隣の人などからの援助や、福祉サービスの支援を利用している場合もあるでしょう。
この場合は、日常生活のどこに支障があって、どの部分を支援してもらっているのかを具体的に記載することが大切です。

家の中はゴミ屋敷のようになっている

「一人暮らしができている」わけではなく、「ただ一人で暮らしているだけ」で、生活が破綻していると客観的に評価できれば、2級に認定される可能性があります。
そのため「一人暮らしが成立しているとは言えない状況」があれば、それについて詳しく記載しましょう。

必要に応じて、一人暮らしをしている部屋の写真を参考資料として添付するのも良いでしょう。

事情があって、やむを得ず一人暮らしをしている

事情があって、やむを得ず一人暮らしをしている場合、その理由や時期によっては2級に認定される可能性があります。

具体的には以下のような理由が例として挙げられます。
 家族に対して暴言や暴力をふるってしまう
 家族から理解が得られない
 家族や他者と暮らすことで病状が悪化してしまう

一人暮らしに至った背景や生活の実態を詳しく記載することで、2級に認定される可能性があるわけです。

 

統合失調症で一人暮らしをしながら障害年金を申請したい場合はご相談ください

統合失調症で一人暮らしという肩書きでも、実態は適切な食事が取れず、身なりや部屋が不衛生な状態になっているというケースも多々あります。
この状態を放置すると、健康維持が難しくなり、時には生命の危険に直面することもあるでしょう。

また、統合失調症では対人関係が苦手で助けを求められないことも多いです。
こうした状況にある人こそが、社会保障を必要としています。
しかし、障害年金は複雑な制度で、とくに一人暮らしでの2級認定は難易度が高いです。
申請手続きに困ったら、障害年金のプロである社労士に相談しましょう。

 

お問い合わせください

障害年金の申請についてご不明な点などがございましたら、どんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければと思います。

 

メール、LINE、お電話(土日も対応)、いずれの方法でも結構ですのでお問い合わせをお待ちしております。

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※相談内容について専門家としてお答えするため下記の項目を最初にお聞きいたします。

①お名前、②生年月日(年齢)、③電話番号、④住所⑤初診日(医療機関に初めて受診した日)、

⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)

執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)