ADHDで障害者手帳をもらえないケースと対処法を社労士が解説します
あなたは、
「ADHDで障害者手帳をもらえないケースとは?」
「グレーゾーンでも障害者手帳をもらう方法はある?」
「ADHDで障害者手帳を受け取るとどんな良いことがあるの?」
などとお考えではありませんか?
ADHD(注意欠陥多動性障害)の程度や症状の現れ方には個人差があるため「自分はもらえるのだろうか?」と疑問に思いますよね。
ADHDは一定の条件を満たせば、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を受け取れます。
この記事では、
ADHDで障害者手帳をもらえないケース
障害者手帳をもらえない場合の対処法
障害者手帳でできること
申請方法
ADHDで障害年金は受給できるのか
について、社労士である私が解説します。
ADHDで障害者手帳をもらえないケースとは
「自分はADHDかも」と感じるのに、障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)をもらえない場合があります。
それは以下のようなケースです。
ADHDの確定診断を受けていない(グレーゾーンの)場合
確定診断はあるが初診日から6ヶ月以上経っていない場合
それぞれ解説します。
ADHDの確定診断を受けていない(グレーゾーンの)場合
ADHDの確定診断を受けていない場合は障害者手帳の交付対象にはなりません。
また、ADHDのグレーゾーンと言われる人も障害者手帳交付の対象外です。
確定診断はあるが初診日から6ヶ月以上経っていない場合
ADHDの確定診断がついていても、初診日から6ヶ月以上経っていない場合は精神障害者保健福祉手帳の交付は受けられません。
したがって、初診日から6ヶ月経過した後に、申請に必要な診断書を医師に書いてもらいましょう。
※初診日とは、申請する疾患で初めて医療機関を受診した日のことです。
ADHDで障害者手帳をもらえない(グレーゾーンの)場合の対処法
ADHDなどの発達障害における特性の現れ方は常に一定というわけではありません。
そのため、調子の良いときと、悪いときで診断に差がでる可能性もあります。
したがって、以下のような状況の変化がある場合は、かかりつけ医に相談してみることをおすすめします。
ADHDによる症状から退職せざるを得ない状況になった
明らかに日常生活への支障が大きくなった
発達障害に限らず、うつ病など他の精神疾患を併発する場合もあります。
状況の変化がある場合は、1度かかりつけ医に相談してみましょう。
「ADHDだと思うが、まだ受診したことがない」という場合の対処法
「自分はADHDかもしれない」という18歳以上の方は、精神科あるいは心療内科を受診すると、ADHDかどうかの診断が受けられます。
「どこの病院を選べば良いか分からない」という方は以下に相談してみると良いでしょう。
いずれも発達障害を含めた、こころの病気について幅広く相談できる支援機関です。
ぜひ活用してみてください。
ADHDで障害者手帳をもらうとできること
障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を持っていると、さまざまな支援を受けることが可能です。
全国一律で受けられるサービスと、各自治体によって異なるサービスがあります。
全国一律で受けられるサービス
精神障害者保健福祉手帳によって全国一律で受けられるサービスは以下のとおりです。
NHK受信料の減免
税金の控除・減免
所得税、住民税の控除
相続税などの税金控除
自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級の方のみ)
障害者雇用枠への応募
障害者職場適応訓練
各自治体や各事業によって受けられるサービス
精神障害者保健福祉手帳をもらうと、各自治体や各事業によっては以下のようなサービスも受けられます。
バス・タクシーなどの運賃割引
携帯電話料金の割引
上下水道料金の割引
医療費助成
公共施設の入場料などの割引
福祉手当の支給
通所交通費の助成
軽自動車税の減免
公営住宅の優先入居 など
障害者手帳の申請方法と注意点
精神障害者保健福祉手帳の申請は、お住まいの市役所や町村役場の担当窓口で行います。
【必要書類】
申請書
診断書(初診日から6ヶ月以上経過した時点のもの)または精神障害による障害年金を受給している場合は、その証書等の写し
本人の写真(縦4cm×横3cm、脱帽、上半身、1年以内のもの)
【注意点】
① 診断書は「指定医」からもらう必要があるため、まずは窓口に相談しましょう。
② 交付まで1~2ヶ月程度かかります。
③ 精神障害者保健福祉手帳の有効期限は「交付日から2年が経過する月の末日まで」です。そのため2年おきの更新が必要となります。
障害者手帳と障害年金は違う制度です
ADHDは一定の要件を満たせば、障害年金を受給できます。
そのため「障害者手帳が2級だから障害年金も2級になる」と混同されている方が見受けられます。
しかし、障害者手帳と障害年金はまったく別の制度であり、同じ等級になるとは限りません。
また、障害者手帳を持っていなくても受給できます。
障害年金について簡単に解説
障害年金は基本的には1級と2級があり、初診日時点で厚生年金・共済年金に加入していた方は「3級」もあります。
受給額は、等級や年金の種類によって変わります。
3級では「労働にどの程度の制限があるか」も考慮されるため、仕事をしていても受給できる可能性はあるということです。
ADHDで障害年金を申請する際のポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
≫≫「【社労士が解説】ADHD(注意欠陥多動性障害)で障害年金を申請する際のポイント」はコチラ
障害年金の申請は社労士を活用しよう
障害年金はある程度まとまった金額を受給できることから、非常に複雑な制度です。
「自分は受給できるだろうか?」と不安な方は、障害年金に詳しい社労士に相談することで、受給できる可能性が高まります。
当事務所は初回の相談は無料です。
LINEでも相談可能ですので、ぜひ活用してください。
ADHDに関する障害年金の受給事例
【20歳代女性 ADHD】
軽度知的障害の状態にある仙台在住の女性からご相談を受けました
私はマルチタスクが苦手であり、集中力が続かない時があることが大きな問題です。これにより、仕事や学習の効率が著しく低下し、それが生活の困難さにつながっています。
まとめ:ADHDは一定の条件を満たせば障害者手帳や障害年金をもらえる
ADHDを含む発達障害の方は、一定の条件を満たせば障害者手帳(精神障害者保健福祉手帳)を受け取れます。
ADHDの確定診断を受けてないという方も、症状によって退職に至ったなど、日常生活や社会生活への支障に大きな変化があった場合は、診断がつく可能性もあります。
状況の変化があった場合は、1度かかりつけ医に相談してみましょう。
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