障害年金の診断書を医師が書いてくれないケースと対処法を社労士が解説!

あなたは、

「障害年金の診断書を医師が書いてくれない」
「障害年金の診断書を書いてくれない場合の対処法を知りたい」
「障害年金の診断書をスムーズに書いてもらうコツはないの?」

と、お悩みではありませんか?

障害認定基準に該当しているのに、診断書をなかなか書いてもらえないと不安ですよね。

結論として、医師が診断書を書いてくれないときは「書いてくれない理由」の解決を図る必要があります。

なぜなら、拒む理由に応じて必要な対応が異なるからです。

この記事では、

 医師が診断書を拒否できる正当な事由
 障害年金の診断書を書いてくれない5つの理由と対処法

について、社労士である私が解説します。

 

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1.医師は診断書を依頼されたら「正当な事由がない限り」書く義務がある

医師法第19条2項に、「正当な事由」がない限り、医師は診断書を書く義務があるといった旨の法規定があります。

「正当な事由」とは、以下のとおりです。

1. 患者に病名を知らせることが好ましくないとき(がん告知などの場合)
2. 診断書が恐喝や詐欺など不正使用される恐れがあるとき
3. 雇用者や家族など第三者が請求してきたとき(本人ないし承諾権者の承諾がある場合は発行する義務がある)
4. 医学判断が不可能なとき

(参考:厚生労働省「医師法(昭和23年07月30日法律第201号)」)

2.医師が障害年金の診断書を書いてくれない5つの理由と対処法

医師が障害年金の診断書を書いてくれない場合、その理由を確認しましょう。

なぜなら、理由に応じた対応を取ることで解決できる可能性があるからです。

医師が診断書を書いてくれない理由の多くは、以下の5つに分けられます。

 経過観察が不十分だから
 「受給対象ではない」と思っているから
 障害年金の受給が治療の妨げになると思っているから
 障害年金の診断書の書き方がわからないから
 単に面倒だから

それぞれ、理由に応じた対処法も含めて説明します。

経過観察が不十分だから

医師が「今の段階では書きようがない」ために診断書作成を拒む場合があります。
例えば、以下のようなケースです。

 通院回数が少ない
 通院間隔が空いている

これは、1章で解説した正当な事由「医学判断が不可能なとき」に該当します。

そのため、医師の指示どおり通院することを重ね、期間を空けて再度依頼しましょう。

「受給対象ではない」と思っているから

医師から「あなたは受給対象ではないから書けない」と言われるケースもあるでしょう。

このような場合は、以下のような方法で解決できる可能性があります。

 診察の際に日常生活で困っていることを具体的に伝える
 自分で伝えるのが難しい場合は、家族など第三者に伝えてもらう

医師への伝え方に困ったら、障害年金のプロである社労士に相談しましょう。

障害年金を受給することが治療の妨げになると思っているから

障害年金に否定的なイメージを持っている医師も少なからず存在します。

精神疾患で「金銭管理がうまくできず、あるだけ散財してしまう」といった症状があるケースでは、障害年金が必ずしも治療の妨げにならないとは言いきれません。

しかし以下のような場合は、ありのまま医師に伝えると良いでしょう。

 社会復帰への意欲がある
 経済的な不安が解消されることによって治療に専念できる

障害年金の診断書の書き方が分からないから

障害年金は、診断書様式も疾患によって異なり、制度内容も複雑です。

医師は障害年金のプロではないため、書き方が分からずに抵抗感を示すのは当たり前とも言えます。

この場合「協力する姿勢」を示していくと効果的です。

例えば、

 医師が分かりやすいように、あなたが日常生活で困っていることを紙に書いてまとめる
 可能であれば、事前に診断書の様式を調べたうえで、受給に必要なポイントに絞ってありのままを伝える
 日本年金機構ホームページにある「障害年金の診断書を作成する医師の方へ」の必要な部分を印刷して持っていく

など、医師がスムーズに書けるよう協力すると、書いてもらえる場合があります。

こういった工夫をするのは、病気を抱えながらでは難しい場合もあるでしょう。
社労士に相談することで、代わりに行ってもらうことも可能です。

単に面倒だから

「面倒だから」という理由で診断書作成を拒否されるケースも少なからずあります。
医師が面倒と感じる理由もさまざまです。

 当時の病院が閉院しているから
 当時の主治医がいないから
 診断書の記載は時間がかかるから
 確実に受給できるケースでなければ書かないから

たしかに、医師は通常の診療だけでも忙しく、常に時間に追われているようなスケジュールで動いている場合もあります。

しかし、上記はいずれも1章で解説したような「正当な事由」には該当しません。

障害年金は、障害によって日常生活や就労に支障が生じている方や、経済的な援助を必要としている方のための公的な制度です。

以下のような方法を取ってみましょう。

 根気強く「障害年金を受給する目的」を伝える
 看護師やソーシャルワーカーなどにも書いてもらえる方法がないか確認する
 社労士に相談する

これらの方法を試しても、頑なに拒まれる場合もあります。

どうしても書いてもらえず、かつ治療にも不満があるという場合は、転院またはセカンドオピニオンを検討するのも1つの手段です。

ただし、転院してもすぐに診断書を作成してもらえるわけではありません。
一般的に3か月~半年程度の経過観察が必要という点に注意しましょう。

障害年金の診断書を書いてくれなくて困った場合は社労士に相談しよう

障害年金における医師の診断書は、受給を左右する重要な書類です。

医師が診断書を書いてくれない場合は、書いてくれない理由を確認し、その理由を解決する方法を実践してみましょう。

とはいえ、病気を抱えながら、自分だけで解決を図るのは大変な作業です。
診断書の依頼方法に困ったら社労士に相談し、スムーズな受給につなげましょう。

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執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)