【社労士が解説】ギランバレー症候群で障害年金を申請する際のポイントを3つ解説します
目次
ギランバレー症候群による後遺症で日常生活に制限のある方は、障害年金を受給できる可能性があります。
今回は、ギランバレー症候群で障害年金を申請する際のポイントを社会保険労務士である私が解説していきます。
ギランバレー症候群とは
ギランバレー症候群とは、ある日突然、手足に力が入らなくなる神経系の病気です。
症状が出る1~2週間前に風邪や下痢などの感染症状が出現していることが多いです。
この感染症状をきっかけに、何らかの原因で本来自分を守るために体内で作られる抗体が、自分の神経を攻撃してしまうために起こります。
多くの場合、治療をしなくても1年以内にゆっくりと回復していきますが、約20~30%で後遺症が残ります。
手足のしびれ感や麻痺が主な症状です。
他にも顔や目を動かす筋肉の麻痺、飲み込みに必要や筋肉の麻痺、さらに重症の場合は呼吸や血圧にも影響を与えます。
なるべく早期に血漿交換療法または免疫グロブリン大量療法を行うことで回復も早くなりますが、なかなか確定診断に至らずに治療が遅れ、悪化してしまう場合もあります。
ギランバレー症候群の障害認定基準
ギランバレー症候群の症状は多岐に渡るため、どの症状が一番強く出ているのかを見極めた上で請求方法を考えていく必要があります。
ここでは一番用いられる事が多い「下肢の障害」を基準として解説していきます。
症状の程度だけでなく、一人暮らしを想定した上での日常生活状況も、等級を左右する大きなポイントとなります。
ギランバレー症候群では、片足で立つ、屋内外での歩行、立ち上がり、階段昇降の動作においてどの程度援助が必要な状態であるかが主な基準です。
これらの動作で、車椅子中心で過ごしており、常に援助が必要な状態であれば1級。
杖などの補助具を使用すれば歩行可能だが、部分的な援助が必要な状態であれば、2級に該当する可能性があります。
3級は初診日の時点で厚生年金・共済年金に加入していた方のみ対象ですが、立ち上がる、歩くといった動作に不便がある場合は3級となる可能性があります。
また併合認定といって、他の障害を組み合わせることで上位等級となる可能性もあるため、他の障害によっても日常生活に制限がある場合は、組み合わせて申請することも検討しましょう。
組み合わせる障害ごとに診断書が必要になるため、いくつも追加するというのは得策ではありません。
上位等級を狙えるような障害に絞って申請することも必要となります。
ギランバレー症候群で障害年金を申請する際に大切な書類
障害年金は書類のみで審査が行われます。
ギランバレー症候群で申請する際、特に気をつけたい大切な書類は以下の3つです。
【医療機関で記載してもらう書類】
- 受診状況等証明書(初診日を証明する書類)・・・初診の医療機関と診断書作成を依頼した医療機関が同じ場合は不要。
- 医師の診断書
【本人やご家族が記載する書類】
- 病歴・就労状況等申立書(発症してから現在までの経過を記載する書類)
各書類同士で、矛盾があると不支給となるため注意が必要です。
診断書も含め、整合性がとれているか確認した上で提出してください。
ギランバレー症候群で障害年金を申請する際のポイント3つ
ギランバレー症候群で障害年金を申請する際のポイントを3つ解説していきます。
初診日の特定が大切
障害年金制度において初診日の証明は絶対要件の1つです。
ギランバレー症候群では確定診断に至るまでに時間がかかる場合もあり、診断された日を初診日と勘違いされる方もいますが「ギランバレー症候群に関連する症状で初めて受診した日」が初診日となりますのでご注意ください。
経過の長い方は発症当時のことを思い出さなければならないため大変ですが、家族等とも相談し、よく思い出して初診の医療機関で受診状況等証明書を記載してもらってください。
最重要書類は医師の診断書
医師の診断書の内容1つで不支給になったり、上位等級になったりと結果を大きく左右します。
症状の程度のみならず、日常生活状況によっては上位等級に該当する可能性もあります。
医師には、一人暮らしを想定した上で「日常生活において支障が出ている部分」を明確に伝えましょう。
診断書ができたら、提出前に内容を必ず確認してください。
ギランバレー症候群では特に麻痺の状態、筋力、日常生活状況の項目が重要となります。
これらの項目に特に注意しながら全てに目を通し、記載漏れがないか、ご自身の状況と違いないかを確認するようにしましょう。
病歴・就労状況等申立書も丁寧に
最重要書類は診断書ですが、病歴・就労状況等申立書も大切です。
病状や受診状況、日常生活状況について唯一、ご本人・ご家族が記載できる書類です。
診断書の内容を補足するような形で詳しく丁寧に記載しましょう。
まとめ
障害年金制度は複雑で気をつけるべき点も多いです。
しかし障害年金が受給できるようになると、生活への負担が軽減できるかもしれません。
申請準備に行き詰まったら、障害年金のプロである社会保険労務士に相談してみることをおすすめします。
ぜひ、あきらめないで下さい。
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⑥加入年金制度の種類と加入状況、⑦傷病名(診断傷病名)
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