長時間の立ち仕事が困難となった「両変形性股関節症」で働きながら障害厚生年金3級(障害認定日遡及)が認定された事例
結果
障害厚生年金3級(障害認定日時点まで遡及して認定)が令和7年4月から認められ、永久認定となりました。
相談時の状況
A様(40代男性・首都圏在住)より、「数年前から両股関節の痛みが悪化し、以前のように働けなくなった。現在は事務職をしているが、この先が不安だ」とご相談がありました。
A様は、地方都市在住時に食品工場の製造ラインで立ち仕事に従事していましたが、数年前から股関節に痛みを感じるようになりました。近くの整形外科で「変形性股関節症」と診断され、リハビリや投薬を続けていましたが、痛みは徐々に悪化。長時間の立ち仕事が困難となり、やむなく退職されました。
その後、ご家族の事情で首都圏に転居し、現在は一般事務(データ入力が中心)の仕事に就いておられます。しかし、痛みは悪化傾向で、毎日の通勤や長時間の着座も辛い状態でした。また、ご自宅では掃除や買い物といった家事の多くが一人では行えず、ご家族のサポートが不可欠な状況でした。
社労士による見解
A様の初診日は厚生年金加入中であり、保険料納付要件も満たしていました。
まず、初診日から1年6ヶ月が経過した「障害認定日」の状況を確認しました。当時は、股関節の痛みにより前職(食品工場)の継続が困難となり、出勤日数が大幅に減少した末に退職を余儀なくされていました。このことから、障害認定日時点において労働能力が著しく低下していたと判断し、遡及請求が可能であると考えました。
次に「現在(請求日頃)」の状況です。A様はフルタイムで事務職に就いておられましたが、ヒアリングの結果、「痛みを常に我慢しながら勤務している」「通勤だけでも負担が大きい」「家事の多くは家族の援助がなければ行えない」という実態が明らかになりました。
これは、就労はしているものの「労働に著しい制限が加えられている」状態(障害厚生年金3級の目安)に該当する可能性が高いと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
- 初診日証明のサポート: A様の初診は転居前の地方都市の病院であったため、速やかに「受診状況等証明書」の取得をサポートし、初診日を確定させました。
- 診断書の取得サポート: 「障害認定日(退職直後の時期)」と「現在」の2時点の診断書が必要でした。障害認定日当時の主治医と、現在の主治医に対し、日常生活や就労で困っている点をまとめた参考資料を作成し、A様の状態が診断書に正確に反映されるよう支援しました。
- 病歴・就労状況等申立書の作成: A様からのお話を基に、以下の2点を重点的に申立書にまとめました。
- 障害認定日頃: 食品工場の立ち仕事が痛みのために徐々に困難になり、シフトを減らし、最終的に退職に至った経緯。
- 現在: 事務職に転職したものの、痛みのために長時間の座位維持が辛いこと。また、掃除、洗濯、買い物など日常生活の多くの場面で家族の援助が必要不可欠であること。
結果に対する社労士の感想
今回の申請では、請求日時点で「フルタイムの事務職」として就労されていた点が、審査上の最大の懸念材料でした。
しかし、①障害認定日時点では痛みで労働が困難になり「退職」していた事実、②現在の就労も「常に痛みに耐えながら」であり「日常生活にも大きな支障」が出ている実態を、診断書と申立書の両面から具体的に主張できたことが、障害認定日までの遡及(3級)という結果に繋がったと考えています。
A様のこれまでのご苦労と経済的なご不安を少しでも和らげるお手伝いができ、大変嬉しく思います。

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