初診の病院が廃院し初診日証明が困難だったうつ病のケースで、障害基礎年金の受給が認められた事例
結果
令和7年6月から令和10年6月まで「見込額2,564,408円」の障害基礎年金2級の受給が決定した。
相談時の状況
30代の男性から「障害年金について相談したい」とのお問い合わせがありました。 以前よりうつ病と診断され、医師から障害年金の申請を勧められていましたが、ご自身で調べたところ、最初に受診した病院が廃院している可能性があり、初診日の証明ができない状態でした。
一人暮らしで手続きの複雑さや困難さを感じ、「自分は受給できないだろう」と諦めかけていたそうです。 当時は無職で、貯金を取り崩しながら生活しており、仕事を探しても体調の問題でなかなか続かないという悪循環に陥っていました。
社労士による見解
ご相談者様は初診日の証明が困難な状況にあり、申請のハードルは高いと判断しました。しかし、年金の保険料納付要件については、学生時代の免除制度などを利用しており、全期間で満たされていることを確認しました。 これが大きな強みになると考えました。
ご本人には、2番目に受診したクリニックを初診として手続きを進める方針を提案し、遡っての受給(遡及請求)はできないこと、そして受給の可能性は決して高くはないことを正直にお伝えしました。 その上で、現在の日常生活のご様子を丁寧にヒアリングすれば、受給できる可能性はあると判断し、サポートさせていただくことになりました。
受任してから申請までに行ったこと
ご本人様が遠方にお住まいのため、ご希望に沿って、対面ではなくリモートで手続きを進めました。
初診日の証明 2番目に受診したクリニックに連絡を取り、「受診状況等証明書」の取得を代行しました。 これにより、法的に認められる初診日を確定させることができました。
日常生活状況のヒアリングと書類作成 2回にわたる詳細なヒアリングを実施しました。 食事(1日1食、簡単なもので済ませる) 、入浴(週1〜2回) 、対人関係(家族と病院以外との接点がない) 、就労の状況(体調悪化により退職を繰り返している) といった日常生活の困難な状況を具体的にお聞きし、それらの内容を「病歴・就労状況等申立書」に詳細に記載しました。
医療機関との連携 現在の主治医に診断書作成を依頼する際、当事務所で作成した依頼書を添付しました。 完成した診断書の内容を精査し、より実態に即した内容になるよう、処方薬の情報や過去の通院歴の追記などを医師にお願いし、修正していただきました。
申請手続き 全ての必要書類を整え、ご本人様の最終的な意思確認を行った上で、年金事務所へ障害年金の申請を行いました。
結果に対する社労士の感想
初診の病院が廃院しているという、障害年金申請において最も困難なケースの一つでした。ご本人様も「何度も『大丈夫でしょうか』と聞いてしまい申し訳なかった」と感想文に綴られているように、決定まで大変ご不安だったことと思います。
この度の受給決定は、保険料納付要件を満たしていたこと、2番目の病院から初診日証明を取得できたこと、そしてご本人様がヒアリングに詳細に協力してくださり、日常生活の困難さを具体的に申立書へ反映できたことが大きな要因です。最後まで諦めずにご依頼いただけたことが、この結果に繋がりました。「最初から最後まで親切で落ち着いた対応をしてもらえて安心できた」とのお言葉をいただき、大変嬉しく思います。
執筆者紹介

最新の投稿
- 10月 24, 2025精神疾患50代男性の気分変調症・社会不安障害による障害年金が受給できた事例
- 10月 24, 2025うつ病初診の病院が廃院し初診日証明が困難だったうつ病のケースで、障害基礎年金の受給が認められた事例
- 9月 4, 2023うつ病社労士事務所に依頼を断られたが諦めずに申請し、うつ病により障害基礎年金2級が認められたケース
- 9月 4, 2023うつ病複雑な家庭環境にあり、うつ病を抱える方に障害基礎年金2級が認められたケース



キーワード検索

初めての方へ


