「やる気が起きない、寝てばかり…」心が発するSOSと生活を守る支援制度

【障害年金 ご相談事例】50歳代女性 統合失調症を患っている奥さんについて旦那さんよりご相談を受けました

「最近、やる気が起きない」「何もする気になれず、寝てばかりいる」
そんな自分を責めていませんか?

頑張らなければと思うほど、気持ちも身体も思い通りに動かせない。そんなつらい状態が続いているなら、それは単なる怠けではなく、心身が発しているSOSのサインかもしれません。

この記事では、このような状態になってしまう原因、背後に潜む病気の可能性、さらに治療に専念するための経済的サポート制度について社労士が解説します。

「やる気が起きない」「寝てばかり」の原因とは?

やる気が起きず、寝てばかりになってしまう背景には、さまざまな要因が考えられます。

一つは生活習慣の乱れです。睡眠不足や不規則な生活、栄養バランスの偏り、運動不足などが続くと心身に負担がかかり、意欲の低下や過度な眠気につながることがあります。

また、身体的な問題が隠れている場合もあります。甲状腺機能低下症や貧血、睡眠時無呼吸症候群など、身体疾患が原因で疲労感や眠気が生じることも考えられるでしょう。(※)

さらに、精神的な問題も大きな要因となります。慢性的なストレス、対人関係の悩み、環境の変化などが重なると心が疲弊し、意欲の低下や過眠といった症状が現れることがあります。

※参考:甲状腺の病気|働く女性の心とからだの応援サイト|厚生労働省

※参考:貧血・かくれ貧血|働く女性の心とからだの応援サイト|厚生労働省

※参考:睡眠時無呼吸症候群 / SAS|健康日本21アクション支援システム Webサイト|厚生労働省

「やる気が起きない、寝てばかり」は精神疾患のサインかもしれません

意欲の低下や過眠は、うつ病や適応障害といった精神疾患の代表的な症状です。

うつ病では、気分の落ち込みに加えて、何をしても楽しめない、疲れやすい、集中力が続かない、自分を責めてしまう、といった症状が現れます。また、眠れなくなる人もいれば、逆に眠りすぎてしまう人もいます。

適応障害は、特定のストレス要因(職場や学校、家庭環境など)に適応できず、心身に不調が生じる状態です。やる気が起きない、身体がだるい、眠ってばかりいる、といった症状が現れることがあります。

こうした症状が2週間以上続く場合は、医療機関への受診を検討しましょう。厚生労働省によると、うつ病にかかっている方の多くが医療機関を受診していない実態があります。(※)

しかし、心の病気には効果的な治療法があり、早期に治療を始めることで回復が期待できます。受診先に迷ったら、まずはかかりつけ医や内科でも構いません。一人で抱え込まず、専門家の力を借りることが大切です。

※参考:休養・こころの健康|厚生労働省

療養中の経済的な不安を支える「障害年金」という公的制度

精神疾患で療養することになった場合、多くの人を悩ませるのがお金の問題です。「仕事ができなくなったらどうしよう」「収入が途絶えたら…」という不安が、治療の妨げになることもあります。

ここでは、経済的な不安を支える障害年金について解説します。

障害年金とは

障害年金は、病気やケガで生活や仕事に支障が出ている方を経済的に支援する公的年金です。

身体的な障害だけでなく、うつ病などの精神疾患も対象となります。

参照:障害年金|日本年金機構

受給できる条件

障害年金を受給するには、主に以下の条件を満たす必要があります。

  • 初診日時点で年金に加入している
  • 一定の保険料納付要件を満たしている
  • 障害の程度が認定基準に該当する

また、障害認定日は初診日から1年6カ月を経過した日とされています。そのため、受給を検討される場合は、なるべく早めに医療機関を受診し、初診の記録を残しておくことが重要です。

受給額の目安

障害年金の受給額は、初診日の時点で加入していた年金制度や障害の等級によって異なります。

障害基礎年金の場合は月平均7万円、障害厚生年金の場合は、に報酬比例部分が加算されるため、月平均10万円程度です。

毎月一定額支給される障害年金は、療養中の生活を支える大きな支えとなるでしょう。

障害年金の申請は専門家に任せるのが安心です

障害年金は心強い制度ですが、実は申請のハードルが高いことでも知られています。

申請が難しい理由

障害年金の申請では、提出書類が多く、内容も複雑です。とくに医師が記載する診断書の内容が審査の重要なポイントとなり、記載の仕方次第で結果が左右されることもあります。

実際、自分で申請して不支給となるケースは少なくありません。さらに、心身の調子が悪いときに、これらの煩雑な手続きを一人で進めるのは大きな負担です。書類を集めるだけでも疲れてしまい、申請を諦めてしまう方もいらっしゃいます。

社労士に依頼するメリット

障害年金の申請を社労士に相談することで、複雑な申請作業を全面的にサポートしてもらえます。

診断書の記載内容についても医師と連携しながら適切なアドバイスを受けられるため、受給の可能性が高まります。何より、面倒な手続きを障害年金に詳しい社労士に任せて、治療に専念できるのがメリットです。

やる気が起きない自分を責めず、まずはご相談ください

「やる気が起きない」「寝てばかり」な自分を責める必要はありません。それは、あなたの心身が「休息とサポートが必要だ」と教えてくれている可能性があります。

症状が2週間以上続いている場合は、医療機関への受診を検討しましょう。早期の治療で、回復への道が開けます。

また、療養中の経済的な不安については、障害年金という制度があることを思い出してください。申請が不安な場合は、社労士に相談することで個別に合ったサポートを受けられます。

当事務所では、症状によって対面やお電話でのやり取りが難しい場合でも、メールやLINEでの相談も24時間受け付けています。

どんな些細なことでも構いませんので遠慮なくご連絡をいただければ幸いです。準備ができたとき、いつでも専門家があなたをお待ちしております。

無料診断 バナー

執筆者紹介

下斗米 貴彦
下斗米 貴彦
社会保険労務士 下斗米 貴彦(しもとまい たかひこ)

宮城県仙台市を中心に全国で障害年金申請をサポートしている。累計相談実績約600件(2024年6月現在)